世界を旅する 出会いから音楽が生まれる
    

ストーブも寒そうな朝。
火をつけて、一日が始まる。
ソーセージの入ったおにぎりを食べながら、
溶けたばかりの窓の車に乗って
八女の山奥にある保育園へ。
朝は声がでないから
発声練習しながら、音楽室を走らせる。
ナビより早く着きたいのに、最近のは、性能がいい。
裸の大将にでできそうな町並みをぬって、
着いたのは山の間にある小学校。のとなりにある保育園。
40人の子どもたちの、80人のおじいちゃんおばあちゃんの中の
今日来れた人が、子どもたちの発表会で拍手。
「いつまでも元気でいてね」の歌で、うれしそう。
肩たたきの歌で、みんなが触れ合っている中
僕はいつものように機材の準備。
軽自動車いっぱいに積んだ音響を、
若いお母さんの助けを借りながら運ぶ。
機械はいつやられるかわからないので、
毎回音がでるまで不安だが、今日もなんとか。
5分しかない転換を、7分くらいでなんとかやって、
コンサートが始まった。
いそいでコピーしていった、春夏秋冬の子どもの唄。
みんなで歌えば、部屋もあったかい。
おじいちゃんおばあちゃんにありがとうをこめて
絵本「いのちのまつり」を歌とセットで。
作者の草場さん、いつもありがとうございます。
今日もみなさん、あの一枚の絵に、よろこんでくれましたよ。
大人たちは「おお~」
子どもたちは「ギャー!」
あの一枚がでる瞬間が、僕も毎回楽しい。
5年くらい前に、失恋のどん底でつくった食育の唄「いただきます」が
今日まで子どもたちと元気に歌えるって、うれしい。
子どもたち向けの45分のコンサートは、全力でぶつからないと、子どもたちに負けちゃうのでいつも終わったら、ふ~。
給食をみんなと食べて、隣の子はおはなししすぎて給食一番最後になっちゃたので
一緒に食べて、みんなの「なまえ」から「みょうじ」を当てる超難しいクイズで一問も当てられなくて、でも楽しくて。
段ボールをひっくり返した物販コーナーは、外で風に吹かれていて、
いよいよ寅さんみたいになってきたなぁと思う。
園長先生に楽譜をプレゼントして、鉄棒や滑り台でおじいちゃんたちと遊ぶ子どもたちに手を振って、木屋保育園とさようなら。
みんな、大きくなって、またいつか。

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【この記事を書いた人】
弓削田健介(ゆげたけんすけ)
合唱作曲家。主に小中学生が歌う合唱曲を作曲。2020年より音楽の教科書に楽曲が掲載(小学校4年生・教育芸術社)。
キャンピングカーを拠点に合唱曲が歌われている日本全国の小中学校、海外日本人学校などで2000回を超えるスクールコンサートを行う。
旅から得た気づき、出会いと感動を元に作曲するスタイルで、5冊の楽譜集と絵本を出版。
NHK全国放送(おはよう日本)、NHKワールドなど多数のテレビ出演をきっかけに、「放浪の合唱作曲家」と呼ばれる。

Amazon著者ページ「弓削田健介」
YouTube「世界を旅する音楽室」

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