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ありがとうのはなかご 先生用早見表

作品集Ⅵ『越えてゆけ』 No.11

曲の概要

おすすめの場面½成人式(2分の1成人式)・立志式・卒業式、お世話になった地域の方や家族へ感謝を伝える場面
対象の目安楽譜に学年指定なし。音域C4〜D5(9度)・二部合唱で、声域面の負担は小さい(提案:小学校中学年から歌える設計と考えられる)
テンポ・拍子♩=82・4分の4拍子
音域C4〜D5(中央のドから、その1オクターブ上のレまで・概算)
演奏時間概算約2分30秒前後(音源値2:35/2:30の不一致あり・要本人確認)

歌詞全体から読める一つの可能性

感謝は一度で言い切る答えではなく、共に過ごした時間を束ねて何度も手渡すものだと読める歌。

書きかけの物語にしおりを挟む導入から、思い出、愛、絆の羽へ進みます。「ありがとう」を重ねても足りないという感覚を、言葉の反復と転調が受け止めます。

指導のコツ


  1. 5・13小節 歌い出し:1拍目が8分休符で、「は」「い」が裏から入る。拍頭を待てずに飛び出しやすい
    →手で表拍を打ちながらことば読み→裏に言葉を乗せる→音程を付ける
  2. 6・14小節 語尾の下行:「(た)りに」「(つ)が」で最低音C4へ下がり、音がぶら下がる
    →最後の2音だけ取り出す→下の音を息で支えて置く→前から通す
  3. 17〜19小節 div.開始:unis.から三度の二声に分かれ、同時に「あなたのあーいで」の16分の細かい歌詞が来る
    →パート別にことば読み→パート別に音程→ゆっくり重ねて三度の響きを聞く
  4. 20小節 「ありが」:転調の入口。F♯が現れ、サビの開始音が取りにくい
    →ピアノでトの和音を聞く→「ありが」の開始音だけ先に取る→19小節から接続

難所別の練習

小節・場所楽譜上の難所練習順
5・13小節 歌い出し1拍目が8分休符で、「は」「い」が裏から入る。拍頭を待てずに飛び出しやすい→手で表拍を打ちながらことば読み→裏に言葉を乗せる→音程を付ける
6・14小節 語尾の下行「(た)りに」「(つ)が」で最低音C4へ下がり、音がぶら下がる→最後の2音だけ取り出す→下の音を息で支えて置く→前から通す
17〜19小節 div.開始unis.から三度の二声に分かれ、同時に「あなたのあーいで」の16分の細かい歌詞が来る→パート別にことば読み→パート別に音程→ゆっくり重ねて三度の響きを聞く
20小節 「ありが」転調の入口。F♯が現れ、サビの開始音が取りにくい→ピアノでトの和音を聞く→「ありが」の開始音だけ先に取る→19小節から接続
22〜24小節 掛け合い「こころいっぱい」で二声の動きがずれ、相手声部につられる→どちらが動きどちらが伸ばすか役割を口で確認→片方ずつ→録音して重なりを聞く
27〜30小節 ありがとう×33回とも入る位置と重なり方が違う。数え間違いが起きる→3回を1回ずつ別々に練習→続けて歌う→歌い比べ(強弱・身振り)で3回を描き分ける

共通事項6視点

視点曲にある手がかり歌いながら行うこと深まる学び
音色・強弱強弱記号の印刷がない3回の「ありがとう」の強弱を自分たちで設計する(作者の説明が根拠)強弱は記号ではなく気持ちの設計だと気づく
リズム・フレーズ裏拍の歌い出し、16分の細かい歌詞ことば読み→裏拍に乗せる話し言葉と旋律のリズムのつながり
音の重なりunis.→div.、掛け合い、3回の「ありがとう」の重なりパート別→重ねて響きを聞く一人の声が二声で「いっぱい」になる実感
反復・変化AはB・Cと反復の外、1番2番で2行だけ入れ替わる演奏順を指でたどる。入れ替わる2行を探す反復の中の小さな変化が意味を作ること
調・和音長2度上への転調、半音ずつ降りるベース、結びの借用和音転調前後を聞き比べる。ベースの下降を耳でたどる和音の動きが言葉の気持ちを運ぶこと

テーマへの配慮

「ありがとう」を歌う授業は、感謝を強制する授業になりやすい。家庭が安全でない子、身近な大人を思い浮かべると苦しい子、感謝の相手を亡くしたばかりの子がいる前提で、「あなたのあいで たちあがれた」の「あなた」を親・家族に固定した説明をしない。「だれに贈るか」は各自が心の中で決めればよく、発表・記入・掲示を求めない。½成人式などの行事で保護者への感謝と結びつける場合も、宛先を選び直せる余地(先生・友だち・過去の自分・歌の語り手のままでもよい)を残す。 また「なんどころんでも たちあがれた」を、全員がそう感じるべき実感として扱わない。まだ立ち上がれていない子も、「立ち上がれた人の物語を歌う」という立ち位置でこの歌に参加できる。感謝が湧かないことを責めず、言葉にできない分は「ら ら ら」に預けてよい、というこの曲自身の仕組みを、そのまま逃げ道として使える。