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つばさにかえて 先生用早見表

作品集Ⅵ『越えてゆけ』 No.15

曲の概要

おすすめの場面卒業式、感謝を伝えたい日。在校生と卒業生が同じ言葉で歌う場面
対象の目安同声二部へ入り始める小学校中学年以上。低いB3、三連符、反復の道順に配慮する
テンポ・拍子♩=82。4分の4拍子を基本に、46小節で4分の2拍子、47小節で4分の4拍子へ戻る
音域全声部総合B3〜C♯5。中央のドC4の半音下から、中央のドより1オクターブと半音上まで
演奏時間約3分10秒〜3分20秒。素材シートの収録曲リスト値は3分08秒。実音源で要確認

歌詞全体から読める一つの可能性

卒業を何かを失う日だけにせず、受け取った多くの感謝と、ひとりではないと知った記憶を、これから進むための翼へ変える可能性を持つ歌。

別れの対象を友達、思い出、教室、先生と具体的に置きながら、最後はありがとうという目に見えないものをつばさへ変える。感謝を重い義務ではなく、未来へ運ぶ力として描くことができる。

指導のコツ

  1. 4〜5小節:弱起の一語を先に合わせる
    前奏4拍 → きだけ → きみ → 5小節へ。
  2. 13〜16小節:変化音を3音で取る
    変化音の前 → 変化音 → 次の音 → 歌詞を戻す。
  3. 16〜17小節:分かれる開始音だけ先に取る
    unis.終音 → I → II → 二声。
  4. 21〜24小節:三連符を大きな拍へ入れる
    手拍子 → ことば → 各声部 → 二声。
  5. 29〜33小節:戻る道と進む道を分ける
    1番括弧 → 2番括弧 → ピアノと接続 → 全曲。

難所別の練習

小節・場所楽譜上の難所練習順
4〜12小節・弱起とA弱起のきから入り、同じ句を細かな日本語で二度歌う4拍を数える → 弱起だけ入る → ことば読み → 5〜8小節 → 9〜12小節 → 二つをつなぐ
13〜16小節・B反復で歌詞が替わり、B7、F、Cナチュラルを含む1回目の歌詞 → 2回目の歌詞 → 変化音の前後3音 → 13〜16小節を各番で歌う
17〜20小節・div.unis.から二声へ分かれ、同じさようならから異なる音へ進むunis.の終音 → Iの開始音 → IIの開始音 → さようならだけ重ねる → 全句へ
21〜24小節・三連符I・IIのリズムが異なり、三連符と低いB3で拍を失いやすい三連符を手拍子 → IIの低音を軽く確認 → 各声部単独 → 語尾の長さを合わせる
25〜28小節・中心リフレインI・IIが異なる動きでありがとうとつばさを歌い、子音がぶつかりやすい母音だけで和音 → 子音の位置を決める → 一声ずつ加える → つばさにかえてを伸ばす
29〜33小節・1・2番括弧1回目は13小節へ戻り、2回目は32小節から終盤へ進む記号を色分け → 1回目だけ指さす → 2回目だけ指さす → ピアノと32〜33小節を接続

共通事項6視点

視点曲にある手がかり歌いながら行うこと深まる学び
音色・強弱強弱記号が少なく、別れと感謝の語が表情を作るさようならとありがとうを複数の音色で歌い比べる言葉と音色の選択で曲想を作れる
リズム・フレーズ弱起、細かな日本語、三連符、長い終音ことば読み、三連符の手拍子、呼吸線を組み合わせる日本語のまとまりと拍の関係が分かる
音の重なりunis.からdiv.、中心リフレインの二声一声ずつ歌い、支える声部を交替して聴く同じ言葉でも重なり方で距離と意味が変わる
反復・変化B・Cの反復、1・2番括弧、終盤の再提示同じ小節の1回目・2回目・終盤を続けて比べる形式が歌詞の時間と視点を整理する
調・和音ニ長調、B7、F、C、D7、G♯m7(♭5)主和音と主調外の和音へ同じ母音を載せる一つの調の中に別れと希望の陰影がある

テーマへの配慮

卒業や学校生活に、友達、先生、教室への肯定的な記憶がない子もいる。さようなら せんせい、ひとりじゃない、ありがとうを、自分の実体験として語ったり書いたりすることを求めない。歌詞の語り手として歌う、特定の相手を思い浮かべず音の役割へ集中する、歌わずに聴く選択も認める。 なんどでも たちあがれたを、努力すれば必ず回復できるという教訓にしない。立ち上がらず休むこと、誰かや制度の支えを受けること、別の道を選ぶこともある。感謝できない経験を、卒業行事の一体感のためにありがとうへ変えない。