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TEACHER'S QUICK GUIDE

越えてゆけ

先生用早見表
対象目安:小学校高学年〜中学生
演奏時間:4分30秒

曲カルテ

おすすめの場面

卒業式・立志式・旅立ち

編成

同声二部/混声三部の版を確認

テンポ・音域

♩=80/B3〜F5(中央のシ〜高いファ)

難所の見取り

場所起こりやすいこと声かけ
5〜12小節16分音符と二声への分岐「『け』まで一息で届けよう」
13〜32小節I→II→ユニゾンの受け渡し「休符の間は相手の言葉を聴こう」
33〜44小節主旋律と「ah」の音量バランス「主旋律が聞こえる音量で」
50小節以降六つのフラットへの転調「新しい和音を聴いてから開始音へ」
11小節unis.とdiv.の切り替わりで濁る「分かれる前後だけ取り出して、音程を確認」
全体「越えてゆけ」のKの子音が立たない「『こ』の前に小さな『っ』を入れるつもりで」(雑誌「教育音楽」より)
WORDS TO EXPRESSION

「越えてゆけ」歌詞と表現

言葉の根拠を見つけ
複数の歌い方で試し
自分たちの表現を選ぶ

言葉の可能性から、歌い方へ

歌詞全体から読める一つの可能性:過去を捨てる歌ではなく、過去を持ったまま進む歌。「重ねた時」「そのさみしさ」を消すとも置いてゆくとも言わず、これまでを否定せずに新しい自分へ動こうとするところに、この歌の深さがある。
言葉読みの手がかり歌い比べ
越えてゆけ
言葉の可能性
誰が誰に言うのかは書かれていない。自分への言葉、友達への励まし、仲間の呼びかけとして読める。「誰から誰への言葉?」自分・友達・みんなへ届ける複数の歌い方で、声の向きと音色を比べる。
重ねた時
そのさみしさ

言葉の可能性
消す、捨てるとは書かれていない。「重ねた」は、過去が層になって今の自分をつくる感覚。「その」は理由を言い切らず余白を残す。「手放す? 抱えて進む?」短く切る歌い方と、一息でつなぐ歌い方を比べる。
めぐる風
背中を押したなら

言葉の可能性
見えない風を、出会い、季節、誰かの言葉、きっかけの比喩として考えられる。「なら」は動き出す直前を残す。「強い風? そっと吹く風?」息だけで風をつくり、その流れに言葉を乗せる。
心の連れてく場所へ
言葉の可能性
自分が心を連れていくのではなく、心が自分を導くような言葉。内側の願いが先に道を知っている、とも読める。「声はどこへ向かう?」大声にせず、最後の「へ」まで息と視線を遠くへ運ぶ。
晴天と夕焼けの狭間
半端な場所

作者の説明
作者は「今しかない、時のきらめき」と説明。外からは美しい変化の途中でも、本人には半端に感じられる。前半は色が移るレガート、後半は足が止まる感覚で歌い、見え方の対比をつくる。
知らんぷり
大人になれない

言葉の可能性
知らないのではなく、気づかないふり。「大人」は年齢だけでなく、変化や責任を引き受けることの比喩とも考えられる。「人に聞かせる言葉? 独り言?」まず自然に読み、内側へ問いかける響きで歌う。
地平線
遠ざかる雲一つ

作者の説明+読み
作者は「遠ざかる雲=昨日までの自分」と説明。地平線は、見えていても先へ続く明日の境界として読める。雲から地平線へ視線と響きを移す。「できるか」は答えず、問いとして残す。
少しの憧れ
ちっぽけな誇り

言葉の可能性
「がむしゃら」の強さと、「少し」「ちっぽけ」の小ささが対比される。小さくても本物の支え、と読める。英雄的な声と、胸の内に保つ温かい声を試し、どちらが言葉に合うか話す。
僕、変わらなきゃ
懐かしい君

作者の説明+読み
作者が示す二番の核は、変わりたい自分と変わりたくない自分。「君」は人、場所、過去の自分など複数の可能性を残す。せりふとして読んでから歌う。懐かしさと決意が同時に聞こえる音色を探す。
CURRICULUM LENS

「越えてゆけ」学習指導要領との対応

小学校第5・6学年 音楽
A表現(歌唱)・〔共通事項〕
題材化のための整理
この曲の教材としての魅力:歌詞の意味、サビの反復、声部の受け渡し、ユニゾンから二部への広がり、転調を結び付け、感じたことを「こう歌いたい」という根拠のある表現へつなげられる。

三つの観点で見取れる学び

知識・技能

曲想と音楽の構造・歌詞の関係を理解する。呼吸・発音に気を付け、各声部、全体の響き、伴奏を聴いて歌う。

思考・判断・表現

音色、強弱、息、フレーズを変えて試し、どのように歌うかについて思いや意図をもつ。

主体的に取り組む態度

仲間の考えや歌声を聴き、録音や聴き合いを使って合唱表現を更新する。

〔共通事項〕と、この曲の手がかり

視点曲にあるもの学習活動見取れる姿
音色・強弱繰り返される「越えてゆけ」自分・友達・仲間への声として歌い比べる。届け先に合う音色と強弱を選び、理由を話す。
リズム・フレーズ5〜12小節の16分音符ことば読みから歌へ移し、「け」まで一息で運ぶ。リズムと日本語の発音・語感を結び付ける。
音の重なり
縦と横
I→II→ユニゾン→二部歌う側と聴く側を交代し、各声部の役割を確認する。主旋律、別声部、全体の響きを聴いて調整する。
反復・変化構成を変えて戻るサビ最初・中間・最後を録音し、違いを比べる。反復が曲の物語を進める仕組みだと捉える。
調・和音50小節の転調転調前後を聴き、景色や気持ちの変化を言葉にする。音の変化と「踏み出す」曲想を関わらせる。
速度・拍rit.・2/4・a tempo指揮で拍を共有してから歌う。速度と拍の変化が生む感じを表現へ生かす。

題材の目標例

題材名の例歌詞と音楽の変化を結び付け、思いの伝わる合唱表現をつくろう(対象の目安:小学校第5・6学年。実態に合わせて調整)
知識・技能曲想と音楽の構造、歌詞の内容との関わりを理解し、呼吸・発音に気を付け、各声部や全体の響きを聴いて歌う。
思考・判断・表現音色、強弱、音の重なり、反復、変化を聴き取り、歌詞から感じ取ったことと関わらせ、どのように歌うかについて思いや意図をもつ。
主体的に取り組む態度仲間と歌い比べ、互いの表現のよさを認めながら、合唱表現をよりよくしようとする。
SCORE-BASED PRACTICE MAP

「越えてゆけ」楽譜分析

同声二部合唱版
♩=80/主に4分の4拍子
音域:B3〜F5

曲の設計

小節構成聴かせたい変化
1〜4ピアノ前奏三連符を含む伴奏から、テンポ80の流れを受け取る。
5〜12冒頭のサビ16分音符の上行形から始まり、9小節付近で二声へ分かれる。
13〜20Iのみ第一声部が言葉と旋律を届け、IIは聴き手になる。
21〜28IIのみ第二声部へ旋律を渡す。1番と2番では言葉のリズムが異なる。
29〜32I・IIユニゾン二つの声が一つになる。
33〜44二部合唱主旋律、別の言葉、「ah」が重なり、響きが広がる。
50〜61最終サビ・転調六つのフラットへ移り、rit.、2/4、a tempoを経る。
62〜68発展版終結変ロ長調へ進み、ずれた入りと長い「ah」で閉じる。

難所別の練習

小節難しさ練習の順番
5〜1216分音符と二声の入りことば読み → 音程 → パート別 → 二声
13〜28IとIIの旋律の受け渡し歌う側/聴く側を交代し、相手の言葉を復唱
29〜44ユニゾンから独立する声部ユニゾンで響きを統一 → 下声を半分の音量で追加
50〜57調号六つへの転調和音 → 開始音 → パート別 → 49小節から接続
58〜61rit.・2/4・a tempo歌わず指揮だけで拍を確認 → 母音だけで接続
62〜68発展版の高音と長い保持音標準版と比較 → ブレスを三組に分ける → 全体で通す

伴奏者との合わせ

先に合わせる場所

49〜50小節の転調、58〜61小節のテンポ変化、発展版終結の62〜68小節。

指揮で共有すること

2拍子の一拍目、a tempoへ戻る瞬間、最後の保持音を離す合図。

きいて・かんがえて・うたってみよう

「越えてゆけ」

ことばと おとを つないで、じぶんたちの うたいかたを みつけよう。

ゆうやけの そらへ つばさを ひろげて すすむ こども
くみ なまえ ひにち

1.こころに のこった ことばや おとを、ひとつ かこう。

どんな こたえでも だいじょうぶ。きになった ところから はじめよう。

2.「せいてんと ゆうやけの はざま」は、どんな そら?

あかるいあたたかいさみしいまよっているそのほか

どうして そう おもったのかな。ことばや おとを てがかりに かこう。

3.ふたつの うたいかたを ためして、ちがいを きこう。

やさしい こえつよい こえなめらかな こえとおくへ とどける こえじぶんに いう こえ

どの うたいかたを えらんだ? どの ことばや おとに あっていた?

4.みんなで きめた うたいかた。

「         」という ことばを、         な こえで うたう。なぜなら……

5.きょう、みつけたこと。

こえを ださない ひも、ことばを よむ、なかまの こえを きく、おとを たしかめる、かく、という さんかの しかたが あります。はなしたくない ことは、はなさなくて だいじょうぶです。

おんがくの スカーフを まいた たびわん