いつも、合唱曲を歌ってくださり、ありがとうございます。
また、はじめての先生は、このページを見つけていただき、ありがとうございます。
私は、幼い頃から小学校の先生になることが、夢でした。小学校3年生のときに、教室でギターを弾いてくれた先生がいて、ずっと「あの先生みたいになりたい!」と憧れ、大学では教育学部を受験。小学校と中・高の音楽の免許を取り、音楽であふれる教室を創れる先生を目指していました。
しかし、教育実習で出会った一人の先生との出会いで、私の人生は変わりました。その先生は、地域でも有名なスーパーティーチャーで、音楽では小学校のブラスバンド部を指揮し、体育ではバク転を披露し、授業参観の社会の授業では保護者が涙を流す・・・そんな先生でした。先生は、命を燃やして、先生という仕事をしているように思いました。
「同じ教科書を使っていても、子どもたちに伝える方法は何万通りだってある」
そう言って、先生は、実習中にいろんなチャレンジをさせてくださいました。その中の一つが、道徳や国語の授業の中に、「音楽」を取り入れていくことでした。国語の「海のいのち」という単元で、オリジナルソングを作り、歌を使って授業をしたとき、子どもたちが喜んでくれたこと。そしてあのとき、教室の後ろで授業を見守ってくださっていた、先生の優しい笑顔は忘れられません。「教室の中で使っていただけるような歌を作りたい」私の音楽作りの原点は、教育実習にあったのかもしれません。
先生は、実習生の私達を一人の人間としてじっと見つめ、個性を認め、伸ばしてくださいました。
大好きな先生との一ヶ月間の教育実習は、一生忘れられないものとなりました。
同じ頃、ボランティア活動の中で「ホスピス」に出会いました。いのちの最期の時間を刻んでおられる患者さんからいただくリクエスト曲は、みなさんが幼い頃に歌った歌が多く、実習中に子どもたちと歌っていた歌が、こんな風に、時を超えてずっとこころに残っていくことを知りました。
ホスピスは、自分の「いのち」をどう生ききるか、考えさせてくれた場所でした。私は、命を燃やして教室に立っておられた、あの先生のように、自分の命を燃やせる場所を探そうと思いました。教育実習での体験もあり、いつからか、「大好きな先生方や、これから先生になっていく同級生に使ってもらえるような歌作りをしたい」と思うようになり、大学院では作曲コースに進みました。
私は、教員にはなれませんでしたが、今でも学校が大好きで、子どもたちが大好きです。そして、日々お忙しい中、人生のほとんどの時間を使って、子どもたちと未来を育んでおられる先生方が、大好きです。社会的にも、金銭的にも不安定で、この音楽活動を続けていけるのか、悩んでいたある日、スクールコンサートを聴いていただいたあとの飲み会で「弓削田くんは、学校現場にはいないけれど、僕たちの同志だ」と言ってくださった先生がいらっしゃいました。涙が止まりませんでした。ずっと、心から消えない、宝物です。
この宝物の言葉を抱きしめながら、子どもたちや先生方に楽しんでいただけるような音楽教材作りに励んでいきたいと思っています。長くなってしまいましたが、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
今後ともよろしくお願いします。
弓削田健介
p.s.
授業で使っていただける、以下のような資料(無料)をご用意しております。
ダウンロードしていただき、子どもたちと使っていただけたら幸いです。