15年前に結成した、
比留間 光悦(ひるまこうえつ)くん
とのユニット「ゆげひる」。
とにかく声がよく融けあう、
そっくりな歌声の同級生コンビだ。
もともとは、一人ずつのミュージシャン。
こうちゃんはライブハウスでの活動や
ダンス教室の講師で大忙しで、
僕も、学校での活動があった。
それでも、二人でハモるのが楽しくて
5年前までは、
「毎月一度は、無理してでも集まろう」
と、一緒にCDを作ったり、
車で全国を回った。
そうした中で、
お互いの本来やりたい活動が
少しずつできてきた頃、
「無理してでも集まろう」
は
「無理はしないようにしよう」
に変わっていき、
いつのまにか、
ほとんど一緒に歌わなくなっていた。
そんな期間を経て、こうちゃんから
地元のショッピングモールでの演奏に
声をかけてもらった。
ショッピングモール。
久しく歌っていなかった場所だ。
お客さまは、僕たちを知らずに
たまたま買い物に来た方たち。
果たして、まったく知らない、
二人の35歳の歌に足を止めてくれるのか…
前日の会場下見で、不安がよぎった。
「明日は、ゆげひるの再出発だね。
お客さんゼロ人かもしれないね。
いきなりオリジナル歌ったら
引かれちゃうから、最初はカバーで…」
と弱音を吐く弓削田。
しかし、比留間こうちゃんは違った。
「俺ら、今日まで、一生懸命やってきたやん。
全部、オリジナル曲で行こうや。絶対大丈夫!ゆげちゃん自信もってや!苦しんで苦しんで、自分たちが最高と思った曲、作ってきたやんか!」
(こうちゃんが関西弁なのも、明るいのも、こうちゃんが関西生まれだからである。)
そして迎えた当日。
ショッピングモールでの
再出発はどうなったのか…
来てくださった方と「ゆげひる」だけの
秘密です。
(紅の豚の最期のシーンの真似)