合唱指導室フルティ語録
フルティ先生
ここは フルティ&ゆげちゃんの合唱指導室。 音楽指導家 古川としこ(フルティ)先生——福岡県・佐賀県の中学校で35年、音楽室から子どもたちを見てきた人の指導術を、 作曲家 弓削田健介(ゆげちゃん)との掛け合いでまとめています。 出典はすべて共著『HAPPY MUSIC』(音楽之友社・第10版)と月刊『教育音楽』の2年間の連載。 はじめての方はトップから
FURUTY'S WORDS

フルティ語録

音楽室で35年。子どもたちと、若い先生たちに向けられてきた言葉を、 指導の場面ごとに集めました。
ぜんぶ、共著『HAPPY MUSIC』と月刊『教育音楽』の連載に載っている言葉です。

「出た! フルティ語録!」 ── ゆげちゃん。この呼び名も、連載の中で生まれました(2017年8月号)
フルティ先生
フルティ先生
01

教える・教えない

連載の第1回から、いちばん最初に語られたこと。

「技」よりも、感じる心をもっていることが一番よ!
『教育音楽 中学・高校版』2017年4月号(連載第1回)
「音楽は、心を揺さぶるものよ。感じる心の振り幅を広げるもの。だから、教えるというより、音楽のよさやおもしろさに気づかせるといいのよ」
同上。ゆげちゃん「頭がこんがらがってきました。どゆこと?」への答え
音楽の先生が一番大切にしなければいけないことは、音楽との出合わせ方です。一人の子どもがその音楽との出合いで、人生が変わるかもしれないのよ」
『教育音楽 中学・高校版』2017年4月号
「難しいことをわかりやすく。深いことを面白く。これが大事よ!
『HAPPY MUSIC』p3。本をつくるときの方針として
覚えやすければいいのよ!
『HAPPY MUSIC』p5。「おしりぼりぼり」という名前について
「いいわよ! あくまでも『私の場合』だけどね
『HAPPY MUSIC』p22。指導法を教えるときに必ず添える一言
「そして、自分だけの発声法を生み出してください。音楽室から生徒も教師も楽しく歌う学校が増えますように……」
『HAPPY MUSIC』p11。発声の章の締めくくり
「ゆげちゃん。マジックは、毎日は使えないのよ。大事なのはいつもの練習。学校では授業。
『HAPPY MUSIC』p48。「フルティマジック」の正体を訊かれて
「若い先生に、どんどん新しいメソッドを作ってもらって、子どもたちが楽しく音楽を勉強できる未来を作っていってほしいな」
『HAPPY MUSIC』p80「あとがき」
フルティ先生
02

子どもを見る

褒めること、叱ること、そして一人ひとりを見取ること。

「授業の前にいつも思うことは、次に音楽室に入ってくる子どもたちは世界の人口約74億分の40人
『HAPPY MUSIC』p49
「地球規模で考えると奇跡的なことだと思わない? 子どもたちは、奇跡の時間と空間を共有する大切な仲間なのよ
同上
子どもは自分が努力して伸びたことを指導者に見つけてほしいものなのよ。だから指導者は『がんばって伸びてきたこと』を見極める力もないといけない」
『HAPPY MUSIC』p49
「そう、意味なく褒めるのは逆効果の時もある
同上。ゆげちゃん「ただ褒めるだけではうまくいかないというのは、そういうことか!」
「子どもたちに「裸の心で接する」って大事よね。指導者も旅人も、同じだね
『HAPPY MUSIC』p49。ゆげちゃんが引いた山下清の師匠の言葉を受けて
大噴火の時はサポートする大人がいないとできないよ。学校でも大きな声を出す先生の後には、それを噛み砕く先生がいないとね。子どもたちに恐怖感だけを残しては何の教育にもならない
『HAPPY MUSIC』p35
「そうそう。誰が鬼役で誰が仏役でいくかを、決めて指導しないと。
同上
「大人がニコニコしていれば子どももニコニコするよ。学校でも家でも、子どもは大人の姿を見て育ってるからね
『教育音楽 中学・高校版』2017年8月号
子どもたちの一番の教育は『大人の本気度』を見せること
『HAPPY MUSIC』p34。ティーンズミュージカルSAGAについて
「未来を担う子どもたちを育むのは、今の大人の役割だよね。だから子どもたちには、どんな時でも大人の本気度を見せないといけないと思うのよね」
『HAPPY MUSIC』p35
子どもたちが居る場所は、どんなところでも教育活動だと思う。すべては大人の責任だもの」
同上。児童自立支援施設に関わった経験について
「本気で何かをがんばっている人ってかっこよくない?
『HAPPY MUSIC』p35
フルティ先生
03

音楽室で

扉を開けた瞬間から、授業は始まっている。

「今は備品管理上、鍵をかけているけれど、心には鍵をかけられないように、本当は音楽室も鍵をかけたくないよね
『教育音楽 中学・高校版』2017年6月号「音楽室の秘密に迫る」
「音楽室ってねえ、入って来ただけでそのクラスに何があったか、すぐわかるんよ。たとえば前の時間に先生に説教されたとか、相当座学が長かったんだなあとか」
同上
音楽はナマモノだから。音楽室に来た子どもの雰囲気で導入は変わるんよ」
同上。「でも同じ入り方は絶対ないね」
「音楽室って、生徒が「今の自分」を表現していい場所なのよ」
同上。だから放課後は相談室になったりもする
「そりゃそうよ! 音楽室の扉を開けた瞬間からHAPPYな世界へ引き込むのよ!
『HAPPY MUSIC』p7。授業前から曲を流している理由
「うちの子たちは、歌いながら入ってくるよ。指揮しながら入ってくる子とかも。その日の子どもたちの状態もわかるから、それによって発声練習のメニューを変えたりもする」
同上
音楽の授業は、どんな家庭環境の子どもでも、同時に美しい音楽にふれさせることができる。チャンスを均等に与えることができる。
『教育音楽 中学・高校版』2017年12月号「音楽の授業はなぜ必要なの?」
(心豊かな生活とは?)「喜怒哀楽を感じ取れることだと思うよ。音楽には、それが詰まっている
同上
「大丈夫大丈夫。私は本番は何もしないから。おるだけ〜
『HAPPY MUSIC』p48。本番直前に余裕がある理由
フルティ先生
04

教材研究・本物に会う

借金してでも行く。その理由。

「これも行かなきゃわからないでしょう。自分で感じないと、自分の言葉として子どもたちに話せないじゃない。だから、教師を続けている間は行き続けますよ
『教育音楽 中学・高校版』2017年7月号「借金してでも本物に出会う旅に出よう!」
「私は作曲家に会いに行ったり、旅をして音楽の生まれた場所に行ったりするね。まず指導者自身が感じていないと、子どもには伝わらないから
『HAPPY MUSIC』p5。おしりぼりぼり「リリック」の項より
「あれは教材研究の賜物よ。自分が音楽の良さに気づいていないと、教えられないもの。知れば知るほど、面白いのが音楽よ」
『HAPPY MUSIC』p48。レッスン中いつも楽しそうな理由
「自分が授業を構成するから、子どもたちに音楽の魅力が伝わるものを選ばないと。教師にとって、教材を選ぶ時間もワクワクする時間なのよ
『教育音楽 中学・高校版』2018年2月号。ゆげちゃん「えっ! また自腹ですか!」
「音楽会や地元の大学の図書館に行ったりして、よくわからないけど原書を見てくるのよ。すると、楽譜の中から音楽が聞こえてくるのよ。これもまた充電ね」
『教育音楽 中学・高校版』2017年7月号
「感極まったなぁ。音楽家の墓の前に立つと、充電されてるって感じ」
同上。ウィーン中央墓地でモーツァルト、ベートーヴェン、シューベルトの墓に囲まれて
餅は餅屋! 専門家に任せることは大切よ!」
『教育音楽 中学・高校版』2017年11月号。ゲストティーチャーについて
「仲間たちでつくるものも素敵だけど、そこに専門家が加わることで素晴らしい化学反応が起こることを子どもたちも体感したんじゃないかな?」
同上
フルティ先生
05

学校をつくる

歌声は、学校そのものを映す。

「音楽には人をつなぐ力もあるからね。子どもと子ども、子どもと大人、大人と大人
『HAPPY MUSIC』p65
「卒業式に向けて、まず、教師集団が同じ方向を向くことが大事なの。巣立っていく子どもたちのこれからの生きる力になるほどの式典にすることができたらいいよね」
『HAPPY MUSIC』p65
「中学校に入学してきて、3年間の総決算だもの。音楽の授業は1年で35時間。3年で約100時間。そのまとめが卒業式なのよ
『HAPPY MUSIC』p64。1年でいちばん大切にしているのは合唱コンクールではなく卒業式
「学年や学校が落ち着いてまとまっていると……卒業式に向けた取り組みが深まるのよね」
『HAPPY MUSIC』p65。卒業生が何の歌を覚えているかで、その学校が読める
「私は、生徒の達成感、有能感、成就感を高めながら自主性を育てていくのが教育の根幹だと思うの」
『教育音楽 中学・高校版』2018年9月号
(生徒会スローガンから逆算していると聞いて、ゆげちゃん「完全に操られてますよね」)
そこを気づかれないように満足してもらうのがプロの技よ!
同上
「校歌指導の最初の出会いで『この先生なんかすごいな、なんかおもしろいな』と思ってもらえたら生徒の心はわしづかみよ!
『教育音楽 中学・高校版』2017年5月号「校歌にまつわる効果的な話」
「私も長いこと学校に勤めていますが、全校生徒が一緒に歌えない時間をもつのが気になっていました。
『教育音楽 中学・高校版』2018年10月号。宗教上の理由などで校歌を歌えない生徒がいるため、学校名を入れない「愛唱歌」をつくった
「みんなが歌える『愛唱歌』には、そこに集う人をつなぐ素晴らしい効果があります。
同上
「毎年文化祭で、『次の曲は○○です。みんなのお父さん、お母さんの思いです。聴いてください』とMCを入れた後に演奏すると、会場の子どもたちに浸透しているのを感じます。歌声で愛を伝えているのです。
『教育音楽 中学・高校版』2018年8月号。教師と保護者のコーラスサークルについて
『地域で育てる』というコミュニティ・スクールには愛があると思います。
同上
フルティ先生
06

生き方・冒険

「人がしないことをするのが好きね」

出る杭は打たれるけど出すぎた杭は活用される! なーんてね!」
『教育音楽 中学・高校版』2017年8月号。ゆげちゃん「出た! フルティ語録!」
借金してでも本物に出会う旅に出よう!
『教育音楽 中学・高校版』2017年7月号のタイトル
お金なんて銀行に行けばいくらでもあるのよ! 私のお金じゃないけど!(笑) もっとドーンと構えて生きていきなさいよ!
同上。お金がないと言うゆげちゃんに
「私の場合は冒険というよりも、人がしないことをするのが好きね
『教育音楽 中学・高校版』2017年8月号
「いつも通っている学校でも、自分の気持ち次第で、旅に変わってるのかもしれないね。毎日ワクワクだもの
同上
「学校ってたくさんの人との出会いの場なのよね。これって旅と同じだよね
同上
「あるアメリカのアンケートで、90歳以上の方々に『90年の人生を振り返って唯一後悔していることは』と尋ねると、『もっと冒険しておけばよかった』という答えが多かったらしいのよ」
同上
「今の上司も前の上司も同僚も、やりたいことやらせてくれる凄いチームだよ。感謝だね
同上
人生100年、まだまだやりたいことたくさんあるよ!
『HAPPY MUSIC』p57。この直後、二人で「越えてゆけ〜」と歌います
(夢を訊かれて)「ドイツに住んで、日本の音楽の先生たちが音楽家の勉強ができるツアーの企画をできたらいいなと思って、ドイツ語の勉強をしているよ。若い先生たちに役立つような音楽の授業の作り方の講座もしていきたい。
『HAPPY MUSIC』p57
ゆげちゃん
07

ゆげちゃんへ

大学生のころ、進路に迷ったときからの相手だから。

「ゆげちゃんには歌があるじゃない。ゆげちゃんの歌を歌いたくて合唱団ができるくらいだから。褒めるとかではなく音楽そのもので人を幸せにしているわよ。指導のことはこれから少しずつ場数を踏むと自然と身につくものよ。大切な心さえ忘れなければね
『HAPPY MUSIC』p49。ゆげちゃん「(涙)……今日もいい一日だったなぁ」/フルティ「まだお昼よ。ライブはじまるよ」
「そのためには……ゆげちゃんがいい曲を作ること! これに尽きる! いい作品が、いいエネルギーが、みんなをつないでいくんだから
『HAPPY MUSIC』p65
「いやいや、ゆげちゃんは旅してナンボやろ! 旅をしないゆげちゃんなんて、黒鍵のないピアノみたいなものよ!
『教育音楽 中学・高校版』2017年10月号
「学校の先生になるか、迷ってたもんね〜
『HAPPY MUSIC』p57。ゆげちゃん「あの時は相談に乗ってもらって、ありがとうございました」
(ゆげちゃんの曲が今年の合唱コンクールで選ばれたか訊かれて)
ズバリ! 選ばれてません!
「でもゆげちゃんの曲は、うちの学校の愛唱歌だから別格よ!(ニヤリ)」
『教育音楽 中学・高校版』2018年9月号
「そんなふうに使ってもらえる歌をつくりたいっす」というゆげちゃんに
私が生きている間にお願い!
『教育音楽 中学・高校版』2018年10月号
「まずは、そのボサボサのヘアースタイルをどうにかしないと
『HAPPY MUSIC』p35。「かっちょいい大人になりたい」と言ったゆげちゃんへ。→ ゆげちゃん「散髪いってきま〜す!」
(レントが大好きと言うゆげちゃんに原作を教えたら「知らなかった!」)
「いるのよね。『大好き』とか言うくせに、ちゃんと知らない人」
『教育音楽 中学・高校版』2018年2月号
「そうだね。私たち3人も、この本からは卒業だけど、きっとまた……
『HAPPY MUSIC』p66。本の最後の曲「忘れない」のページより。この続きが、いまこのサイトです
フルティ先生
08

笑わせる

「難しいことをわかりやすく。深いことを面白く」——後半の実践編。

人生には3つの坂がある! 上り坂、下り坂。そして、そのマサカよ!
『HAPPY MUSIC』p3。「FRT」の意味を訊かれて、まず一発
(ゆげちゃんが佐賀大学に進んだ理由は、福岡にいた彼女の近くにいたかったから。でも2か月でふられた)
愛は県境を越えないっていうもんね(爆笑)
『教育音楽 中学・高校版』2017年4月号
「そしたら100人以上の応募があったのよね。びっくりポンよ
『HAPPY MUSIC』p34
「秘伝のたれではないですよ(笑)」
『HAPPY MUSIC』p2。「フルティ秘伝の歌唱指導伝授本」の説明で
何でも聞いてごじゃれ!
『教育音楽 中学・高校版』2017年4月号。技を教えてほしいと頼まれて
それでは伝授しよう!
たびたび登場する、本題に入る合図
(ゆげちゃん「フルティの声なら富士山の頂上に響き渡りますよ!」)
どんだけ〜! それに酸素薄いでしょ。無理無理! 私はふもとで富士宮焼きそば食べて待ってる!」
(ゆげちゃん「薄情者!」)
食べ過ぎて吐くじょ〜!
『教育音楽 中学・高校版』2017年9月号
(ゆげちゃんのダジャレに)「そのネタはもういいから。
(ゆげちゃん「インド人もびっくりですね」)「古っ! 何そのインド人て!
『教育音楽 中学・高校版』2017年5月号
(異動が6年と言われているのに7年いる理由を訊かれて)
「ゆげちゃん、それはふれてはいけないことよ。人事はひとごと。神のみぞ知る
『教育音楽 中学・高校版』2018年8月号
「そりゃあ100面相よ! 指揮してる時は、後ろ姿しか見えないから、知らないでしょう? 私の顔を見て子どもたちは笑うしかないわよ!」
『HAPPY MUSIC』p48。子どもが自然に笑顔になる理由を訊かれて
「あの時ね! あれはプチよ。プチ噴火よ! まだまだ甘いな!
『HAPPY MUSIC』p35。ゆげちゃん「……恐ろしい」
ぎくっ! ち、違うわよ! すべては読者の先生方のためよ!」
『HAPPY MUSIC』p41。原稿を書くのが面倒なんじゃないかと疑われて
「じゃあ、『未来の空へ』はゆげちゃん、よろしく! 素晴らしい曲よね〜」
(ゆげちゃん「『次の空へ』ですよ! いい曲とか言って、また曲名覚えてないし!」)
『HAPPY MUSIC』p41。曲名を間違えるのは、この本で2回あります
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