第二章 ── ワクワク!音楽会のうた
No.04

ピアノと歌おう

作詞・作曲:弓削田健介
楽譜集 本文p.30

いつも支えてくれるピアニストへ。ピアノは木=森。グリーンピアノのイメージソング。

Listenきいてみる
旅ワンくん
「ピアノと歌おう」は、いつも支えてくれるピアニストへ。ピアノは木=森。グリーンピアノのイメージソング。 言葉と音の変化を聴いてみるワン!── 旅ワンくん

演奏:黒沢尻北小学校

Lyrics歌詞
1番

森の記憶を抱きしめながら
音楽おとの妖精 ピアノは生きている
天地あめつちのリズム 光のハーモニー
無限の音色で 音楽がはじまる
さあ 僕らも奏でよう

2番

1000の気持ちに寄り添いながら
心のそばで ピアノは歌ってる
喜びのリズム 切ないハーモニー
優しい音色で 幸せも涙も
ほら 包んでくれるから

1番サビ

ピアノと歌おう Music
響きあう いのち
ピアノと歌おう
We're Friends
We're Dream
We're Music
笑顔を集めて さあ 歌おうよ

2番サビ

あなたと奏でよう Music
響きあう きせき
あなたと奏でよう
We're Friends
We're Dream
We're Music
笑顔を集めて さあ 歌おうよ

結び

一緒に歌おう ピアノと歌おう Music

FOR TEACHERS & CHILDREN

先生と子どもたちのための資料集

Overview曲の概要
おすすめの場面音楽会、合唱発表、ピアノと歌声の関係を聴き合う場面
対象の目安小学校中学年以上。二部合唱へ入り始める集団にも
テンポ・拍子♩=145・4分の4拍子
音域概算D4〜E5。中央のドのすぐ上のレから、1オクターブ上のミあたり
演奏時間概算約2分40秒。音源による実測は要本人確認
Materials楽譜・音源
山田聡先生
楽譜には、歌い方のヒントがぎっしり書き込まれています。音源と両方そろうと、練習の道しるべになりますよ。── 山田聡先生
楽譜・CD
作品集「越えてゆけ」表紙
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Words to Expression歌詞の解説
ボス先生(中学校国語の先生)
言葉の意味は、一つに決めなくていいんです。「こうも読める」が見つかるたび、歌い方も増えていく。詩を読むのと、同じですね。── ボス先生
作者の説明で確認できること歌詞から広がる言葉の可能性
歌詞全体から読める一つの可能性

ピアノを伴奏の道具だけでなく、木の記憶と人の気持ちを受け取って歌う仲間として描く歌。

1番はピアノの生まれてきた時間、2番は人に寄り添う時間へ進み、「僕ら」「あなた」「一緒に」へ関係が広がります。歌声とピアノが互いを支えること自体が、曲の主題になります。

気になる言葉を選んで、開いてみてください。

「森の記憶を抱きしめながら」
読みの手がかり作者の説明:ピアノはもともと木からできた楽器。鍵盤の向こうには、かつて森だった木々の記憶が眠っている——そう想像すると、いつものピアノの音色が少し違って聴こえてこないか、という歌い出し(完成稿ウェブ版)。
歌い比べ教室のピアノが「木だった頃」を想像してから歌うのと、しないで歌うのとで、最初のフレーズの音色は変わるだろうか。
「音楽の妖精」(ルビ「おと」)/Music Fairy
読みの手がかり読みの手がかり(言葉の可能性):「音楽」と書いて「おと」と読ませる二重の表記。目に見えない音を、姿のある妖精として呼ぶ擬人化。旧タイトル「Music Fairy〜ピアノと歌おう〜」(素材シート)のモチーフがこの一語に残る。
歌い比べ「ようせい」を、そっと秘密を教えるように歌うのと、明るく紹介するように歌うのとで、どちらがこの曲のピアノらしいだろう。
「ピアノは生きている」「ピアノは歌ってる」
読みの手がかり読みの手がかり(言葉の可能性):1番は存在(生きている)、2番は行為(歌ってる)。ピアノがただの道具ではなく、一緒に音楽をつくる相手として描かれる。関連の映像作品にサブタイトル【ピアニストにスポットライトを】がある(素材シート)=楽器と弾き手の両方に向かう言葉として読める。
歌い比べ「いきている」の「い」をはっきり立てるのと、レガートに溶かすのとで、ピアノの生きもの感はどう変わるか。
「天地のリズム 光のハーモニー」(ルビ「あめつち」)
読みの手がかり読みの手がかり(言葉の可能性):「あめつち」は天と地を合わせた古い言い方。ピアノの音楽を、自然の大きなスケールに重ねる。1番のこの行が、2番では「喜びのリズム 切ないハーモニー」と人の心のスケールに変わる対句になっている。
歌い比べ1番(天地・光)と2番(喜び・切ない)を同じ表情で歌うか、変えるか。変えるなら何をどう変えるか。
「無限の音色」「優しい音色」
読みの手がかり読みの手がかり(言葉の可能性):88鍵のピアノから出てくる音色を「無限」と呼ぶ驚きと、その無限の中から人に向けられるのが「優しい」音色だという選び。
歌い比べ「むげんの」を大きく開くのと、静かに広げるのとで、無限の感じ方はどう違うか。
「1000 の気持ちに寄り添いながら」
読みの手がかり読みの手がかり(言葉の可能性):教室に集まる一人ひとりの気持ちの数。伴奏のピアノは、歌う全員の速さや息づかいを受け止めている——完成稿の「その音をいちばん近くで支え、まるごと受け止めてくれている」(作者の説明)と響き合う行。
歌い比べ「せんの」を粒立てて歌うのと、ひとつながりに歌うのとで、「たくさんの気持ち」はどちらが伝わるか。
「幸せも涙も ほら 包んでくれるから」
読みの手がかり読みの手がかり(言葉の可能性):嬉しい音楽だけでなく、悲しい涙もピアノは包む。泣くことを直させる歌ではなく、涙のままでいられる場所として音楽を描く。
歌い比べ「つつんでくれるから」をだんだん強くするのと、だんだん柔らかくするのとで、「包む」に近いのはどちらか。
「響きあう いのち/きせき」
読みの手がかり読みの手がかり(言葉の可能性):サビ1は「いのち」、サビ2は「きせき」。楽譜では31〜32小節でⅡが「ひびきあう いのち(きせき)」を歌う間、Ⅰが「ハーモニー」と別の言葉を重ねる——言葉そのものが響き合う書法(楽譜上の事実)。
歌い比べⅠとⅡ、どちらを前に出す? 両方同じ強さで混ぜる? 実際に両方試して聴き比べる。
「We're Friends We're Dream We're Music」
読みの手がかり読みの手がかり(言葉の可能性):友だち・夢・音楽——「僕ら=音楽そのもの」まで言い切る三段。楽譜内の表記は「We are」(歌詞ページは「We're」)。
歌い比べ3つを同じ言い方で並べるか、「We are Mu-sic」だけ特別にするか。楽譜ではこの3つ目だけ変化記号付きの音(Cm7→F7の色)が当てられている。
「僕らも奏でよう」→「あなたと奏でよう」→「一緒に歌おう」
読みの手がかり読みの手がかり(言葉の可能性):相手の言葉が曲の中で動いていく。1番Bの結びは「僕らも」(聴く側から奏でる側へ)、サビ2は「あなたと」(弾いてくれる人へ)、コーダは「一緒に」(全員で)。完成稿の「ピアノという楽器そのものへの感謝と、いつも隣で弾いてくれる友だちへの感謝」(作者の説明)が、この人称の動きと重なる。
歌い比べ「ピアノとうたおう」と「あなたとかなでよう」を、同じ場所(26小節・34〜35小節)で歌い分けるとき、視線や体の向きはどこに向くか。
AI Picture Story学校での取り組み例

AIと対話しながら、
歌詞から生まれた物語を一枚の絵に

こなっしー先生(小梨貴弘先生)
AIはたくさんの案を出してくれます。でも「これだ」と選ぶのは、歌を聴いた自分の心。友だちと絵がちがうほど、面白いんです。── こなっしー先生
この場所には、これから「ピアノと歌おう」の一枚絵が並びます。
学校では、こんな形で取り組めます
INDIVIDUAL

一人ひとりの物語をつくる

心に残った歌詞を選び、自分が思い浮かべた主人公、風景、色をAIとの対話で一枚絵にします。絵の違いが、そのまま歌の受け取り方の違いになります。

GROUP

グループで場面を持ち寄る

歌詞を意味のまとまりに分け、一人一場面ずつ案を出します。なぜその構図や表情にしたのかを話し合い、一枚の絵物語へまとめます。

CLASS

クラスに一枚を残す

学級で大切にしたい言葉を出し合い、先生が対話をまとめます。そのクラスだけの歌の受け取り方を教室に残せます。

進め方の一例

聴いて、言葉を選ぶ

歌を聴き、心が動いた歌詞と、その理由を短く書きます。

場面を言葉にする

誰が、どこで、どんな表情をしているか。浮かんだ色や光もAIへ伝えます。

案を比べ、話し合う

画像を作る前に場面案を読み、歌詞に合っているかを確かめます。

作って、直して、語る

絵を見て対話を続け、最後に「なぜこの絵にしたか」を自分の言葉で伝えます。

ChatGPTへの最初の指示例

合唱曲「ピアノと歌おう」を聴いて、心に残った歌詞と、浮かんだ場面をまとめました。この曲を五〜八場面の一枚絵にする案を考えてください。各場面について「歌詞の意味」「絵にする瞬間」「人物の表情」「色と光」を提案し、画像を作る前に私へ確認してください。私の解釈を大切にし、違う考えを勝手に決めつけないでください。
大切にしたいこと:AIの提案を正解にせず、歌を聴いた自分の感じ方を中心にします。画像内の歌詞は、最後に入稿譜と一文字ずつ照合します。学校や自治体の生成AI利用ルールに沿って行ってください。
Teaching Tips指導のコツ
ともちゃん先生
ぜんぶ一度にやらなくて大丈夫。クラスに合いそうなものを、今日はひとつだけ試してみてください。── ともちゃん先生

7〜9小節:D♭M7→G♭M7の遠い響きの直後にヘ長調で歌い出す。開始音が取りにくい

ピアノのFの和音→開始音だけ先に取る→7小節目から通す、の順で往復する

14小節・22小節ほか:♩=145で8分音符に言葉が乗る(「いーピアノは」「おんがくがはじまる」)。タイで語が小節をまたぐ

ことば読み→手拍子でリズム読み→一つの高さで歌う→音程を付ける

18〜19小節:unis.から二部への分岐。分岐点に矢印が印字されているが、つられやすい

矢印の場所に各自で印→Ⅰだけ・Ⅱだけで2回→分岐の2拍前から合わせる

19小節・21小節:B♮(G7)・C♯(A7)の臨時記号。主調の音に戻りやすい

ピアノで和音を聴く→変化音の前後3音だけ抜き出して歌う→歌詞に戻す

Curriculum指導要領に沿ったポイント
フルティ先生(古川敏子先生)
指導要領って堅そうに見えるでしょ?でも、そこさえ押さえておけば、あとは自由なのよ。根拠を持って歌えることが、子どもの自信になるの。── フルティ先生

この曲で見取れる姿を、音楽の仕組みと歌詞の内容から整理します。

知識・技能

unis.と二部の響きの違いを知覚し、分岐点(18〜19小節)で自分の線を保つ 反復記号・1番括弧・2番括弧・練習記号A〜Cを読み、演奏順を共有する ♩=145の中で8分音符の言葉を明瞭に発音する(子音の準備・母音の着地)

思考・判断・表現

「ハーモニー」の言葉と二声の分岐、「響きあう」と声部の呼び交わし——歌詞と書法の一致を根拠に表現を選ぶ 強弱記号が印字されていないことを生かし、場面ごとの強弱・音量バランスを歌詞と役割から自分たちで設計する 前奏・間奏・コーダのピアノを「聴かせ場」と捉え、歌とピアノの主役交代を演奏設計に反映する

主体的な学び

伴奏者を音楽づくりの仲間として位置づけ、テンポや息づかいを伴奏と相談して決める 自分の声部だけでなく、相手声部の「呼びかけ」と「こたえ」を聴いて歌う 声域・声変わり・不安に応じて、歌唱、ハミング、リズム、譜めくり、録音係など参加方法を選べるようにする

共通事項6視点──手がかり・行うこと・深まる学び
視点曲にある手がかり歌いながら行うこと深まる学び
音色ピアノそのものが題材。前奏・フィルのピアノ、「無限の音色」「優しい音色」の歌詞前奏とコーダのピアノだけを聴く時間を作る伴奏の音色に耳をすませる聴き方が、他のどの曲にも持ち越せる
リズム♩=145の8分主体・シンコペーション・タイで語が小節をまたぐことば読み→リズム読みの段階練習速い曲でも言葉を運べる口と拍感
旋律(フレーズ)「Mu-sic」の呼びかけとこたえ、「Doo wa」のスキャット声部の役割を話してから重ねるフレーズの受け渡しとして音楽を聴く耳
音の重なりunis.→二部の分岐(矢印印字)、Ⅰ「ハーモニー」×Ⅱ「ひびきあう…」の同時歌唱分岐点の前後だけ抜き出して聴き比べ重なりが生まれる瞬間を体感的に知る
反復・変化1番・2番の同型反復と、1番括弧・2番括弧の分かれ道、コーダに前奏の和音が戻る演奏順マップを指でたどる形式を地図として読む力
題材名・目標例

題材名の例

「ピアノと歌おう」の言葉と音の変化を聴き合い、歌い方をつくろう

対象の目安:小学校中学年以上。二部合唱へ入り始める集団にも

目標例

  • unis.と二部の響きの違いを知覚し、分岐点(18〜19小節)で自分の線を保つ 反復記号・1番括弧・2番括弧・練習記号A〜Cを読み、演奏順を共有する ♩=145の中で8分音符の言葉を明瞭に発音する(子音の準備・母音の着地)
  • 「ハーモニー」の言葉と二声の分岐、「響きあう」と声部の呼び交わし——歌詞と書法の一致を根拠に表現を選ぶ 強弱記号が印字されていないことを生かし、場面ごとの強弱・音量バランスを歌詞と役割から自分たちで設計する 前奏・間奏・コーダのピアノを「聴かせ場」と捉え、歌とピアノの主役交代を演奏設計に反映する
  • 伴奏者を音楽づくりの仲間として位置づけ、テンポや息づかいを伴奏と相談して決める 自分の声部だけでなく、相手声部の「呼びかけ」と「こたえ」を聴いて歌う 声域・声変わり・不安に応じて、歌唱、ハミング、リズム、譜めくり、録音係など参加方法を選べるようにする
テーマへの配慮:この曲は伴奏者への感謝を歌う明るい音楽会ソングだが、扱い方を一つだけ気をつける。ピアノを習っている子・伴奏に選ばれた子と、そうでない子の間に序列を作らないこと。「ピアノと歌おう」の「ピアノ」は特定の誰かの技術ではなく、教室で一緒に鳴っている音のことでもある。伴奏者オーディションの結果とこの曲の指導を結び付けたり、「弾ける子はすごい」という方向で感謝を強制したりしない。感謝は指導者が言わせるものではなく、コーダでピアノに耳をすませた子が自分で見つけるものとして扱う。 また「笑顔を集めて」を、全員が笑顔で歌うことの強制にしない。2番の「幸せも涙も ほら 包んでくれるから」は、涙のままでも音楽の中にいてよいという歌詞である。英語詞(We're Friends…/Mu-sic)の発音は、上手さを競わせず全員で口をそろえる遊びとして扱う。

根拠資料:文部科学省 「小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 音楽編」。ここに示した内容は、ピアノと歌おうの楽譜と歌詞から考えられる提案例です。学校や子どもたちの実態に合わせて調整してください。

Difficulty Mapこの曲の難所マップ
大志くん
つまずく場所は、だいたいみんな同じなんです。先にわかっていれば、怖くない。ひとつずつ越えていきましょう!── 大志くん
楽譜上の難所
練習順
7〜9小節
楽譜上の難所D♭M7→G♭M7の遠い響きの直後にヘ長調で歌い出す。開始音が取りにくい
練習順ピアノのFの和音→開始音だけ先に取る→7小節目から通す、の順で往復する
14小節・22小節ほか
楽譜上の難所♩=145で8分音符に言葉が乗る(「いーピアノは」「おんがくがはじまる」)。タイで語が小節をまたぐ
練習順ことば読み→手拍子でリズム読み→一つの高さで歌う→音程を付ける
18〜19小節
楽譜上の難所unis.から二部への分岐。分岐点に矢印が印字されているが、つられやすい
練習順矢印の場所に各自で印→Ⅰだけ・Ⅱだけで2回→分岐の2拍前から合わせる
19小節・21小節
楽譜上の難所B♮(G7)・C♯(A7)の臨時記号。主調の音に戻りやすい
練習順ピアノで和音を聴く→変化音の前後3音だけ抜き出して歌う→歌詞に戻す
27〜33小節
楽譜上の難所「Mu-sic」の呼び交わしと、Ⅰ「ハーモニー」×Ⅱ「ひびきあう…」の歌詞の重なり。1番2番の歌詞行も併記で迷いやすい
練習順先に役割を話す(どちらが呼びかけ、どちらがこたえか)→歌詞行を色分け→片方ずつ→重ねる
49〜55小節
楽譜上の難所「う—」のロングトーン(8拍以上)が2回。息が続かず音が下がる
練習順ブレスの交代場所(カンニングブレス)を決める→ピアノのフィルを聴きながら伸ばす練習
Teachers' Practice先輩先生の実践
天野朝代先生
先生方の小さな工夫が、となりの学校の宝物になります。この歌の実践、ぜひ聞かせてください。── 天野朝代先生
この場所には、これから先輩先生方の実践(歌い方・場の工夫・子どもたちの姿)が並びます。

実践者募集

この歌を学校で扱ってくださった先生、ほかの先生にもシェアできる工夫をお持ちの先生、ぜひご連絡ください。集まり次第、この場所に掲載していきます。

実践・資料を送る

ボタンでメールが開かないときは、こちらへ:yuge@mbfc.or.jp

Story作者の言葉
ゆげちゃんと旅ワンくん
この歌が生まれるまでのこと、すこしだけ話させてください。── ゆげちゃん

合唱の練習でも、本番のステージでも、いつも一歩うしろにいてくれる人がいます。ピアニストです。みんなが歌に夢中になっているとき、その音をいちばん近くで支え、まるごと受け止めてくれている。僕はずっと、その人にスポットライトを当てたいと思っていました。この「ピアノと歌おう」は、そんな気持ちから生まれた一曲です。

ピアニストは、ただ伴奏をしているのではありません。指揮者がいなければ、指揮者にもなれる。テンポも、息づかいも、曲の心も、もしかしたら誰よりもよくわかっているかもしれない。それでも前には出ず、伴奏者としてそっとみんなを支えてくれます。歌っている子どもたちにも、聴いてくださる方にも、「自分たちはピアニストと一緒に音楽をつくっているんだ」ということが、ふと伝わったら——そう願いながら書きました。

もうひとつ、僕はこの曲で「ピアノってどんな楽器だろう?」ということを、歌詞のなかで深めていきました。ピアノは、もともと木からできた楽器です。だから歌い出しは「森の記憶を抱きしめながら」。鍵盤の向こうには、かつて森だった木々の記憶が眠っている——そんなふうに想像すると、いつものピアノの音色が、少し違って聴こえてこないでしょうか。

この「木」と「森」のイメージは、僕が大切にしている「グリーンピアノプロジェクト」にもつながっています。子どもたちが弾くピアノの音色が、やがて森になる。ピアノが大好きな子どもたちと一緒に、明日の地球に木々を、森を増やしていきたい。「ピアノと歌おう」は、その願いを込めたイメージソングでもあるのです。

ピアノという楽器そのものへの感謝と、いつも隣で弾いてくれる友だちへの感謝。そのふたつを、サビの「一緒に奏でよう」という言葉にこめました。音楽会でこの曲を歌うときに、よかったら伴奏のピアノに、いつもよりほんの少しだけ耳をすませてもらえたら嬉しいです。ピアノの音と、みんなの歌声が響きあって、ひとつの大きな笑顔が生まれますように。

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Credit収録
詞・曲
作詞・作曲:弓削田健介
第二章 ワクワク!音楽会のうた
録音
黒沢尻北小学校