第二章 ── ワクワク!音楽会のうた
No.05

たいようのきょうしつ

作詞・作曲:弓削田健介
楽譜集 本文p.34

子どもたちのアンケートから生まれた、朝の教室のうた。学校は一人ひとりが輝く場所。

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旅ワンくん
「たいようのきょうしつ」は、子どもたちのアンケートから生まれた、朝の教室のうた。学校は一人ひとりが輝く場所。 言葉と音の変化を聴いてみるワン!── 旅ワンくん

参考音源:教育音楽チャンネル

Lyrics歌詞
1番

あさのひかりを わけあって
げんきのはなが ならんでる
ひとりひとりが たいようだ
きみとうたえば ほら せかいがきらめく

2番

こうしゃも まども かべのえも
ぼくがくるのを まっている
うたのあさがお さきほこれ
きみがわらえば ほら せかいもほほえむ

1番サビ

たいようあふれる ぼくらのきょうしつ
となりあわせの ぼうけんしゃたち
ものがたりを つむぎだそうよ
かがやくきぼう だきしめて かけてゆこう

2番サビ

たいようあふれる わたしのがっこう
たからさがしの ちょうせんしゃたち
みちしるべは おるがんのうた
きせきのきょうを だきしめて

最終サビ

たいようあふれる ぼくらのきょうしつ
となりあわせの ぼうけんしゃたち
このばしょから えがきあおうよ
ちいさなゆびで おおきなゆめを
たいようのきょうしつで

FOR TEACHERS & CHILDREN

先生と子どもたちのための資料集

Overview曲の概要
おすすめの場面朝の会、新学期、学年や学級の音楽会、日常の教室を題材にした場面
対象の目安小学校低学年から。二部合唱へ入り始める集団にも扱いやすい
テンポ・拍子♩=140、4分の4拍子
音域全声部総合B3〜C5。中央のドC4の半音下から、中央のドより1オクターブ上まで
演奏時間約2分50秒〜3分。素材記載の収録曲リスト値は2分54秒で、完成音源との照合は要本人確認
Materials楽譜・音源
山田聡先生
楽譜には、歌い方のヒントがぎっしり書き込まれています。音源と両方そろうと、練習の道しるべになりますよ。── 山田聡先生
楽譜・CD
作品集「越えてゆけ」表紙
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Words to Expression歌詞の解説
ボス先生(中学校国語の先生)
言葉の意味は、一つに決めなくていいんです。「こうも読める」が見つかるたび、歌い方も増えていく。詩を読むのと、同じですね。── ボス先生
作者の説明で確認できること歌詞から広がる言葉の可能性
歌詞全体から読める一つの可能性

教室は全員が同じように輝く場所ではなく、異なる光を持つ一人ひとりが隣り合い、それぞれの参加の仕方で今日の物語を作る場所だと読める。

朝の光をわけあって始まった歌は、教室、学校、今日、夢へと範囲を広げる。現在いる場所を大切にしながら、そこを未来へ向かう出発点として捉える一つの可能性が開かれる。

気になる言葉を選んで、開いてみてください。

あさのひかりを わけあって
読みの手がかり光を誰かが独占せず、複数の人の間で受け渡す始まりとして読める
歌い比べ自分から渡す声/隣から受け取る声/教室全体へ広げる声を試す
げんきのはな
読みの手がかり元気を一つの型にせず、形や開き方の違う花として捉えられる
歌い比べ明るく弾ませる/柔らかく語る/一語ずつ輪郭を出す歌い方を試す
ひとりひとりが たいようだ作者の説明
読みの手がかり目立つ人だけでなく、静かにいる人を含むひとりひとりの存在へ重心がある
歌い比べひとりひとりを丁寧に置く/たいようを広げる/声量を増やさず温かく歌う
ぼくらのきょうしつ
読みの手がかり所有を示すだけでなく、違う過ごし方をする人が同じ場を共有する言葉として読める
歌い比べ仲間へ向ける/場所を見渡す/自分の居場所を確かめる声を試す
となりあわせの ぼうけんしゃたち作者の説明
読みの手がかり同じ方向を見るだけでなく、違う発見を持ち寄る人も隣り合う冒険者になれる
歌い比べ足並みをそろえる/一人ずつ色を残す/となりあわせを柔らかくつなぐ
ものがたりを つむぎだそうよ
読みの手がかり完成した物語を受け取るのではなく、日々の小さな出来事から複数の人で作る動きを表す
歌い比べ先へ呼びかける/一緒に相談する/言葉を一本の長い息で結ぶ
うたのあさがお
読みの手がかり歌が人の働きかけと時間の中で開き、教室へ広がる姿の比喩として読める
歌い比べ小さく開き始める/一気に咲く/語尾へ向かって音色を明るくする
たからさがしの ちょうせんしゃたち
読みの手がかり正解や賞だけでなく、知らなかったこと、友達の良さ、自分の新しい力を探す行為も含められる
歌い比べ勇ましく進む/注意深く探す/仲間へ合図する声を試す
みちしるべは おるがんのうた
読みの手がかり答えを直接教える印ではなく、耳を澄ませて進む方向を選ぶ手がかりとして歌が置かれる
歌い比べ遠くから聞こえる/隣から聞こえる/自分たちが道を作る声で試す
ちいさなゆびで おおきなゆめを作者の説明
読みの手がかり身体の小ささと、まだ形の決まらない未来の広がりを対置している
歌い比べちいさなを近く/おおきなを広く/大きさを音量でなく母音の空間で表す
AI Picture Story学校での取り組み例

AIと対話しながら、
歌詞から生まれた物語を一枚の絵に

こなっしー先生(小梨貴弘先生)
AIはたくさんの案を出してくれます。でも「これだ」と選ぶのは、歌を聴いた自分の心。友だちと絵がちがうほど、面白いんです。── こなっしー先生
この場所には、これから「たいようのきょうしつ」の一枚絵が並びます。
学校では、こんな形で取り組めます
INDIVIDUAL

一人ひとりの物語をつくる

心に残った歌詞を選び、自分が思い浮かべた主人公、風景、色をAIとの対話で一枚絵にします。絵の違いが、そのまま歌の受け取り方の違いになります。

GROUP

グループで場面を持ち寄る

歌詞を意味のまとまりに分け、一人一場面ずつ案を出します。なぜその構図や表情にしたのかを話し合い、一枚の絵物語へまとめます。

CLASS

クラスに一枚を残す

学級で大切にしたい言葉を出し合い、先生が対話をまとめます。そのクラスだけの歌の受け取り方を教室に残せます。

進め方の一例

聴いて、言葉を選ぶ

歌を聴き、心が動いた歌詞と、その理由を短く書きます。

場面を言葉にする

誰が、どこで、どんな表情をしているか。浮かんだ色や光もAIへ伝えます。

案を比べ、話し合う

画像を作る前に場面案を読み、歌詞に合っているかを確かめます。

作って、直して、語る

絵を見て対話を続け、最後に「なぜこの絵にしたか」を自分の言葉で伝えます。

ChatGPTへの最初の指示例

合唱曲「たいようのきょうしつ」を聴いて、心に残った歌詞と、浮かんだ場面をまとめました。この曲を五〜八場面の一枚絵にする案を考えてください。各場面について「歌詞の意味」「絵にする瞬間」「人物の表情」「色と光」を提案し、画像を作る前に私へ確認してください。私の解釈を大切にし、違う考えを勝手に決めつけないでください。
大切にしたいこと:AIの提案を正解にせず、歌を聴いた自分の感じ方を中心にします。画像内の歌詞は、最後に入稿譜と一文字ずつ照合します。学校や自治体の生成AI利用ルールに沿って行ってください。
Teaching Tips指導のコツ
ともちゃん先生
ぜんぶ一度にやらなくて大丈夫。クラスに合いそうなものを、今日はひとつだけ試してみてください。── ともちゃん先生

7〜22小節:歌詞を片方ずつ入れる

1番のことば → 2番のことば → 4拍 → 同じ旋律。語尾を急がない。

22〜23小節:分かれる最初の音を固定する

全員のA → IIの開始音 → Iの開始音 → 2小節だけ重ねる。

31〜37小節:和音を止めて聴く

各声部 → 1拍ずつ和音 → 2小節 → 歌詞を付けて通す。

37〜46小節:出口を複数回たどる

1回目の戻り → 2回目の飛び先 → 46小節の開始音 → 全体へ戻す。

58〜69小節:歌と後奏を一つにする

最終語 → 66小節のピアノ → 4小節の後奏 → 終わりの呼吸を合わせる。

Curriculum指導要領に沿ったポイント
フルティ先生(古川敏子先生)
指導要領って堅そうに見えるでしょ?でも、そこさえ押さえておけば、あとは自由なのよ。根拠を持って歌えることが、子どもの自信になるの。── フルティ先生

この曲で見取れる姿を、音楽の仕組みと歌詞の内容から整理します。

知識・技能

4分の4拍子と速い8分音符、反復と括弧、ユニゾンと二部の違いを理解し、自分の声部を保って歌う

思考・判断・表現

朝、教室、学校、夢の言葉と、音色、強弱、フレーズ、声部の重なりを結び付け、届け方を選ぶ

共通事項6視点──手がかり・行うこと・深まる学び
視点曲にある手がかり歌いながら行うこと深まる学び
音色・強弱強弱記号が少なく、歌詞と声部数で明暗が変わるひとりひとりとおおきなゆめを複数の音色・強さで歌い比べる音量だけでなく、音色と母音の広がりが言葉の大きさを作る
リズム・フレーズ♩=140、休符、短い音と長い語句4拍を示しながらことば読みし、一息でつなぐ範囲を比べる速いテンポでも大きな拍と文のまとまりを保てる
音の重なりAの共通旋律から23小節で二部へ分かれるユニゾン、Iのみ、IIのみ、二部の順に聴き比べる音の重なりが一人ひとりと集団の両方を表せる
反復・変化7〜37小節の反復、歌詞差、1・2番括弧、最終サビ同じ旋律の1番・2番・最終回を並べ、変わる言葉と音色を確かめる反復の中で視点が教室、学校、未来へ広がる
調・和音ト長調、FM7、E7、B7、Cmなど主調の和音と色の変わる和音を聴き、言葉の感じを比べる調号を変えなくても和音の組合せで期待や意外さが生まれる
題材名・目標例

題材名の例

「たいようのきょうしつ」の言葉と音の変化を聴き合い、歌い方をつくろう

対象の目安:小学校低学年から。二部合唱へ入り始める集団にも扱いやすい

目標例

  • 4分の4拍子と速い8分音符、反復と括弧、ユニゾンと二部の違いを理解し、自分の声部を保って歌う
  • 朝、教室、学校、夢の言葉と、音色、強弱、フレーズ、声部の重なりを結び付け、届け方を選ぶ
テーマへの配慮:学校に来ること、教室に所属すること、友達と過ごすことが、不安、孤立、欠席経験、環境の変化に触れる子もいる。学校を好きだと話すこと、自分の教室を思い浮かべること、友達関係を説明することを求めない。歌詞の教室を作品の中の場所として考えたり、ピアノや声部の変化だけを扱ったりする参加を選べるようにする。 元気、たいよう、おおきなゆめを、いつも明るく振る舞うことや将来の目標を持つことへの圧力にしない。静かな光、休んでいる光、まだ言葉にならない夢も含められる。夢や学校生活について本人の経験を話す場合は任意とし、聴く、拍を示す、歌詞カードを指すなど、声を出さない役割も同じ重さで扱う。

根拠資料:文部科学省 「小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 音楽編」。ここに示した内容は、たいようのきょうしつの楽譜と歌詞から考えられる提案例です。学校や子どもたちの実態に合わせて調整してください。

Difficulty Mapこの曲の難所マップ
大志くん
つまずく場所は、だいたいみんな同じなんです。先にわかっていれば、怖くない。ひとつずつ越えていきましょう!── 大志くん
楽譜上の難所
練習順
7〜22小節・A
楽譜上の難所1番と2番で言葉が替わり、♩=140の休符後へ子音をそろえて入る
練習順1番を読む → 2番を読む → 4拍を手で示す → 同じ旋律へ順に戻す
19〜22小節・A末
楽譜上の難所短い音、休符、変化和音が続き、きらめく/ほほえむの語尾が急ぎやすい
練習順語尾だけ読む → 最後の母音をそろえる → 開始音を鍵盤で取る → 15小節からつなぐ
23〜30小節・サビ入口
楽譜上の難所I・IIが分かれ、共通旋律から自分の声部へ切り替える
練習順ユニゾンで歌う → IIだけ取る → Iを加える → 22〜23小節だけ往復する
31〜37小節・サビ中盤
楽譜上の難所二部の音程、言葉の受け渡し、主調外の和音が重なり、隣の声部へ寄りやすい
練習順各声部の開始音 → 和音を止める → 2小節ずつ交互に歌う → 全体を重ねる
38〜45小節・反復出口
楽譜上の難所1番括弧の後は7小節へ戻り、2回目は37小節から45小節へ飛ぶ
練習順道順を指さす → 37→38→44→7を行う → 37→45→46を行う → 歌詞付きで通す
46〜65小節・最終サビ
楽譜上の難所二部を保ちながら最高音C5へ進み、長い語句を一息で結ぶ
練習順リズム読み → C5を含む和音を短く取る → 息の場所を決める → 58小節から終わりまで通す
Teachers' Practice先輩先生の実践
天野朝代先生
先生方の小さな工夫が、となりの学校の宝物になります。この歌の実践、ぜひ聞かせてください。── 天野朝代先生
この場所には、これから先輩先生方の実践(歌い方・場の工夫・子どもたちの姿)が並びます。

実践者募集

この歌を学校で扱ってくださった先生、ほかの先生にもシェアできる工夫をお持ちの先生、ぜひご連絡ください。集まり次第、この場所に掲載していきます。

実践・資料を送る

ボタンでメールが開かないときは、こちらへ:yuge@mbfc.or.jp

Story作者の言葉
ゆげちゃんと旅ワンくん
この歌が生まれるまでのこと、すこしだけ話させてください。── ゆげちゃん

「子どもたちが朝、学校に来たくなるような歌を作ってほしい」。

香川県の高松市立栗林小学校から、そんな依頼をいただいたのが、この歌の始まりでした。朝、ランドセルを背負って校門をくぐるとき、胸のなかが少しだけ軽くなる。教室のドアを開けるのが、ちょっと楽しみになる。そういう歌を作れたらいいなと思いました。

だから僕は、まず子どもたちにアンケートをとることから始めました。「歌詞に入れたい言葉を教えてね」とお願いして、たくさんの言葉を集めたんです。そうやって集まった言葉を、ひとつひとつ歌詞に編み込んでいきました。だから「たいようのきょうしつ」の作詞は、僕ひとりの仕事ではありません。あの教室にいる一人ひとりとの、共作なんです。クレジットに「原案アンケート:栗林小学校の子どもたち」と書いてあるのは、そういうわけです。

この歌に込めたのは、「学校は一人ひとりが輝く場所」という想いです。

朝のひかりを分け合って、笑顔と歌声がならぶ教室。元気いっぱいの子も、ひとりで本を読むのが好きな子も、みんなそれぞれに違う光を持っている――そう信じられる場所であってほしいなと思いました。だから歌詞では、クラスメイトと学ぶ毎日を「となりあわせの ぼうけんしゃたち」と呼びました。机を並べた友だちは、同じ物語を紡いでいく冒険の仲間。一緒に新しい一日を描いていけたら、という願いをこめた言葉です。

そして最後のサビには、「ちいさなゆびで おおきなゆめを」という言葉を置きました。子どもたちの小さな手のなかには、まだ誰も見たことのない、大きな未来がぎゅっと握られています。学校での何でもない日々が、その夢を育てる土になりますように。今日のたのしさが、明日の挑戦につながりますように。そんな願いをこめた一節です。

低学年のみんなが、難しく考えずに、自分の言葉として口ずさんでくれたら――。歌う子どもたちにとって、朝がちょっと好きになる、小さな太陽みたいな歌になれたらいいな。そんなことを願いながら、書きました。

歌うときに

朝の会や、新学期・授業開きの導入に歌っていただくことが多い曲です。歌ったあとに「自分の夢」や「仲間と叶えたいこと」を発表し合う時間をつくると、歌詞の「かがやくきぼう」や「たからさがし」が、そのままお互いを応援し合う学級づくりにつながっていったら嬉しいです。自分たちで歌った声を録音して、登校時の校内放送で流す、という使い方を教えてくださった先生もいました。教室に入るその瞬間に、自分たちの歌が迎えてくれる。そんなふうに、一日のはじまりが少しまぶしくなったら——。よかったら、使ってみてください。

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Credit収録
詞・曲
作詞・作曲:弓削田健介
第二章 ワクワク!音楽会のうた
録音
むさし野ジュニア合唱団「風」(指導:前田美子)