第三章 ── いのち・しあわせ・あたたかさ
No.07

いのちのたいよう

作詞:大志/作曲:弓削田健介
楽譜集 本文p.46

すべてのいのちは太陽から。100億年の旅をして、いま、ここに。

Listenきいてみる
旅ワンくん
「いのちのたいよう」は、すべてのいのちは太陽から。100億年の旅をして、いま、ここに。 言葉と音の変化を聴いてみるワン!── 旅ワンくん

演奏:黒沢尻北小学校

Lyrics歌詞

星のように 燃え上がれ いのちのたいよう
宇宙そらのように 抱きしめて いのちのたいよう
ワン ツー スリー フォー!

1番

100億年の旅をして
いまここにある いのち
いきものすべてが ばんぶつぜんぶが
たいようのこどもたち

星だったときの 記憶
歌おう ひとつさ さあ光つないで

2番

僕だったときの手紙
遺そう 消えない 銀河のインクで

サビ

星のように よみがえれ いのちのたいよう
宇宙そらのように 咲きほこれ いのちのたいよう
星のように 燃え上がれ いのちのたいよう
宇宙そらのように 抱きしめて いのちのたいよう

FOR TEACHERS & CHILDREN

先生と子どもたちのための資料集

Overview曲の概要
おすすめの場面いのちや宇宙を扱う音楽会、学年合唱、動きと歌を組み合わせる発表
対象の目安小学校中学年以上。遅い導入から速い本体への切り替えと複数の転調を段階的に練習する
テンポ・拍子冒頭Adagio・♩=56、11小節から♩=135、4分の4拍子
音域全声部総合C4〜F♯5。中央のドC4から、その1オクターブ上のファ♯まで(譜面目視による暫定実測)
演奏時間約3分34秒。素材記載値であり、完成音源による実測は要本人確認
Materials楽譜・音源
山田聡先生
楽譜には、歌い方のヒントがぎっしり書き込まれています。音源と両方そろうと、練習の道しるべになりますよ。── 山田聡先生
楽譜・CD
作品集「越えてゆけ」表紙
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Words to Expression歌詞の解説
ボス先生(中学校国語の先生)
言葉の意味は、一つに決めなくていいんです。「こうも読める」が見つかるたび、歌い方も増えていく。詩を読むのと、同じですね。── ボス先生
作者の説明で確認できること歌詞から広がる言葉の可能性
歌詞全体から読める一つの可能性

いのちを一人だけの所有物として閉じず、遠い時間から受け取り、異なる存在へ手渡されていく動きとして感じる歌。

そのつながりを全員が同じ考えで受け入れる必要はない。宇宙、太陽、身体、声という異なる距離の言葉を、速度と調の変化が一続きにしているところから、各自の読みを開ける。

気になる言葉を選んで、開いてみてください。

いのち
読みの手がかり身体の活動だけでなく、受け取ったものを次へ渡す関係や時間としても読める。
歌い比べ一人の内側へ向けて柔らかく歌う/周囲へ響きを広げて歌う。
たいよう作者の説明
読みの手がかり資料では、いのちの材料を太古の太陽へ遡って考える象徴として説明される。自然科学の説明そのものではなく、制作の核となる見方である。
歌い比べ明るい母音を前へ出す/遠い時間を感じ、息を長く保つ。
太古作者の説明
読みの手がかり作詞者は現在の身体を、とても遠い時間へつなぐ言葉として扱っている。
歌い比べゆっくり広いフレーズで歌う/子音を明瞭にし、遠さを輪郭化する。
ひかり
読みの手がかり見える光、熱、希望、存在を知らせる印など、複数の意味が重なる。
歌い比べ細く透明な音色/温かく厚い音色。
からだ
読みの手がかり宇宙的な話を、呼吸、鼓動、声を持つ現在へ戻す言葉になる。
歌い比べ胸の響きを感じる歌い方/身体全体で拍を弾ませる歌い方。
つながる作者の説明
読みの手がかり資料では、いのちが広がり、つながろうとする動きが語られる。全員が同じになる意味には限定しない。
歌い比べ声部を溶かす/それぞれの旋律を聞こえ分けたまま重ねる。
ひろがる作者の説明
読みの手がかりいのちの衝動を、止まった状態でなく外へ動くものとして表す。
歌い比べクレッシェンドで空間を広げる/音量を変えず母音の響きだけを広げる。
ワン ツー スリー フォー!
読みの手がかり遅い序から♩=135へ移る境目に置かれ、全員の拍を共有する。
歌い比べ掛け声を鋭く短くそろえる/少し弾ませて次の歌へつなぐ。
えがお
読みの手がかり感情を隠して笑う義務ではなく、つながりが表情として外へ現れる一つの形と読める。
歌い比べ明るく前へ出す/相手を安心させるように柔らかく歌う。
ヤー!
読みの手がかり最後に置かれた短い声。意味の説明より、集団の呼吸と身体をそろえる働きが大きい。
歌い比べ鋭く一点へ集める/響きを上方向へ放ち、直後の静けさを聞く。
AI Picture Story学校での取り組み例

AIと対話しながら、
歌詞から生まれた物語を一枚の絵に

こなっしー先生(小梨貴弘先生)
AIはたくさんの案を出してくれます。でも「これだ」と選ぶのは、歌を聴いた自分の心。友だちと絵がちがうほど、面白いんです。── こなっしー先生
この場所には、これから「いのちのたいよう」の一枚絵が並びます。
学校では、こんな形で取り組めます
INDIVIDUAL

一人ひとりの物語をつくる

心に残った歌詞を選び、自分が思い浮かべた主人公、風景、色をAIとの対話で一枚絵にします。絵の違いが、そのまま歌の受け取り方の違いになります。

GROUP

グループで場面を持ち寄る

歌詞を意味のまとまりに分け、一人一場面ずつ案を出します。なぜその構図や表情にしたのかを話し合い、一枚の絵物語へまとめます。

CLASS

クラスに一枚を残す

学級で大切にしたい言葉を出し合い、先生が対話をまとめます。そのクラスだけの歌の受け取り方を教室に残せます。

進め方の一例

聴いて、言葉を選ぶ

歌を聴き、心が動いた歌詞と、その理由を短く書きます。

場面を言葉にする

誰が、どこで、どんな表情をしているか。浮かんだ色や光もAIへ伝えます。

案を比べ、話し合う

画像を作る前に場面案を読み、歌詞に合っているかを確かめます。

作って、直して、語る

絵を見て対話を続け、最後に「なぜこの絵にしたか」を自分の言葉で伝えます。

ChatGPTへの最初の指示例

合唱曲「いのちのたいよう」を聴いて、心に残った歌詞と、浮かんだ場面をまとめました。この曲を五〜八場面の一枚絵にする案を考えてください。各場面について「歌詞の意味」「絵にする瞬間」「人物の表情」「色と光」を提案し、画像を作る前に私へ確認してください。私の解釈を大切にし、違う考えを勝手に決めつけないでください。
大切にしたいこと:AIの提案を正解にせず、歌を聴いた自分の感じ方を中心にします。画像内の歌詞は、最後に入稿譜と一文字ずつ照合します。学校や自治体の生成AI利用ルールに沿って行ってください。
Teaching Tips指導のコツ
ともちゃん先生
ぜんぶ一度にやらなくて大丈夫。クラスに合いそうなものを、今日はひとつだけ試してみてください。── ともちゃん先生

1〜10・Adagio:遅い速度で音程と息の流れを保つ

歌詞をゆっくり読む → 母音だけで息をつなぐ → ピアノの低音を聞く → 子音を戻す

10〜17・速度と調の切り替え:♩=56から135へ変わり、数え声を経てハ長調へ入る

足で新しい拍を取る → 数え声だけそろえる → 17小節の初音 → 10小節から通す

32〜33・変ホ長調:調号がフラット3個へ変わり、反復区間に入る

新しい和音を聞く → 声部別の初音 → 32〜34小節をハミング → 言葉

40〜41・イ長調:フラット系からシャープ3個へ大きく色が変わる

41小節の和音 → 初音 → 40小節末から2音だけ → 2小節へ広げる

Curriculum指導要領に沿ったポイント
フルティ先生(古川敏子先生)
指導要領って堅そうに見えるでしょ?でも、そこさえ押さえておけば、あとは自由なのよ。根拠を持って歌えることが、子どもの自信になるの。── フルティ先生

この曲で見取れる姿を、音楽の仕組みと歌詞の内容から整理します。

知識・技能

二つの速度、四つの調、反復括弧、二部と掛け声 速度・調の切り替え後も拍と初音を捉え、声部を保って歌える

思考・判断・表現

太陽、太古、つながりの言葉と大きな音楽変化 同じ語を複数の音色で試し、速度・調・重なりとの関係から表し方を選べる

共通事項6視点──手がかり・行うこと・深まる学び
視点曲にある手がかり歌いながら行うこと深まる学び
音色・強弱静かな序、明るい本体、終止の掛け声同じ語を透明、温かい、力強い音色で歌い比べる音色が距離や時間の感じを変えると分かる
リズム・フレーズ長い音価と♩=135の拍動母音唱と足拍で二つの時間感覚を比べる息と拍を速度に応じて調整できる
音の重なりユニゾン、二部、全員の掛け声一声から二声、最後に全員の声へ重ねる重なり方が関係の像を作ると捉えられる
反復・変化33小節からの1・2番同じ旋律へ異なる歌詞と音色を載せる反復が意味を拡張する働きを聞き取れる
調・和音G→C→E♭→A転調直後の和音を順に聞く調の色が構成の距離を作ると分かる
題材名・目標例

題材名の例

「いのちのたいよう」の言葉と音の変化を聴き合い、歌い方をつくろう

対象の目安:小学校中学年以上。遅い導入から速い本体への切り替えと複数の転調を段階的に練習する

目標例

  • 二つの速度、四つの調、反復括弧、二部と掛け声 速度・調の切り替え後も拍と初音を捉え、声部を保って歌える
  • 太陽、太古、つながりの言葉と大きな音楽変化 同じ語を複数の音色で試し、速度・調・重なりとの関係から表し方を選べる
テーマへの配慮:いのちの起源、つながり、笑顔という主題は、死別、病気、家族との関係、宗教的・哲学的な考えに触れうる。資料にある太古の太陽の説明は作者・作詞者の言葉として紹介し、科学上の唯一の説明や、全員が同意すべき世界観にしない。自然科学として扱う内容は、別の確かな資料と照合する。 笑顔や大きな掛け声を参加の条件にしない。声を出しにくい子、強い音に負担がある子には、拍を示す、歌詞を読む、最後の休止を一緒に作るなど別の役割を用意する。いのちについて個人的な経験を話すことも求めない。

根拠資料:文部科学省 「小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 音楽編」。ここに示した内容は、いのちのたいようの楽譜と歌詞から考えられる提案例です。学校や子どもたちの実態に合わせて調整してください。

Difficulty Mapこの曲の難所マップ
大志くん
つまずく場所は、だいたいみんな同じなんです。先にわかっていれば、怖くない。ひとつずつ越えていきましょう!── 大志くん
楽譜上の難所
練習順
1〜10・Adagio
楽譜上の難所遅い速度で音程と息の流れを保つ
練習順歌詞をゆっくり読む → 母音だけで息をつなぐ → ピアノの低音を聞く → 子音を戻す
10〜17・速度と調の切り替え
楽譜上の難所♩=56から135へ変わり、数え声を経てハ長調へ入る
練習順足で新しい拍を取る → 数え声だけそろえる → 17小節の初音 → 10小節から通す
32〜33・変ホ長調
楽譜上の難所調号がフラット3個へ変わり、反復区間に入る
練習順新しい和音を聞く → 声部別の初音 → 32〜34小節をハミング → 言葉
40〜41・イ長調
楽譜上の難所フラット系からシャープ3個へ大きく色が変わる
練習順41小節の和音 → 初音 → 40小節末から2音だけ → 2小節へ広げる
41〜52・二部の重なり
楽譜上の難所高い音域を含み、上下の線が別に進む
練習順下声だけ → 上声だけ → 片方をハミング → 両方を小音量 → 通常の響き
52〜63・括弧の分岐
楽譜上の難所1回目と2回目の出口を取り違えやすい
練習順60→33と52→61→63を言う → 伴奏だけで移動 → 歌を加える
Teachers' Practice先輩先生の実践
天野朝代先生
先生方の小さな工夫が、となりの学校の宝物になります。この歌の実践、ぜひ聞かせてください。── 天野朝代先生
この場所には、これから先輩先生方の実践(歌い方・場の工夫・子どもたちの姿)が並びます。

実践者募集

この歌を学校で扱ってくださった先生、ほかの先生にもシェアできる工夫をお持ちの先生、ぜひご連絡ください。集まり次第、この場所に掲載していきます。

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Story作者の言葉
ゆげちゃんと旅ワンくん
この歌が生まれるまでのこと、すこしだけ話させてください。── ゆげちゃん

この詩を書いてくれたのは、芸術家の大志さんです。

大志さんは、ずっと「夢」をテーマに活動してきた人です。世界中の人から、夢を書いてもらったハンカチを集める。そして旧暦の七夕に、その夢たちを富士山の頂上へ届けるお祭りを、毎年ひらいてきました。これまでに集まった夢ハンカチは、なんと25万枚にのぼると聞きました。太陽の塔をつくった岡本太郎の意志を受け継ぐ人とも言われ、2025年の大阪・関西万博にも協力しています。

大志さんがいつも大切にしているのが、「太古の太陽」という考え方です。

僕らがいま空に見上げている太陽ではなくて、宇宙が始まるはるか昔に存在した、大いなる太陽。それは、あらゆる元素を生み出した工場のような存在だった——つまり、この世界のすべてのいのちは、その太陽から生まれた。だから僕らはみんな、太陽から生まれた子どもで、もともとはひとつだった。そんな思想が、この歌詞の根っこには流れています。大志さんはもともと宇宙の知識を伝える講師もしていた人で、その詩は、夢物語ではなく、科学に裏打ちされたまなざしでできています。

「100億年の旅をして/いまここにある いのち」。「いきものすべてが ばんぶつぜんぶが/たいようのこどもたち」。歌い出しから、もう宇宙のスケールの詩でした。この詩を前にして、メロディもその大きさに置いていかれないようにと、必死についていきました。小さな子どもたちの声が、星のようにきらめき、広がっていく——そんな歌になればと願いながら、書きました。

サビでは、「星のように 燃え上がれ」「宇宙(そら)のように 抱きしめて」と歌います。いのちには、広がろう・つながろうとする力があるのかもしれません。一人ひとりが、宇宙にたったひとつの太陽——大志さんの詩からそんなまなざしをいただいて、メロディにのせました。

この曲は、岩手県・北上市の黒沢尻北小学校のみんなが歌ってくれました。「星のように 燃え上がれ」と、子どもたちの声にのせて歌っていただけて、本当にありがたかったです。

100億年の旅の果てに、いま、ここに、あなたのいのちがある。そんなことを、子どもたちの歌声から、ふと思ってもらえたら嬉しいです。

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Credit収録
詞・曲
作詞:大志/作曲:弓削田健介
第三章 いのち・しあわせ・あたたかさ
録音
黒沢尻北小学校