第五章 ── 6年生に贈るうた
No.12

約束~また会う日まで~

作詞・作曲:弓削田健介
楽譜集 本文p.66

卒業式に、6年生と在校生が向き合って歌い合う。希望のバトン。

Listenきいてみる
旅ワンくん
「約束~また会う日まで~」は、卒業式に、6年生と在校生が向き合って歌い合う。希望のバトン。 言葉と音の変化を聴いてみるワン!── 旅ワンくん

演奏:黒沢尻北小学校

Lyrics歌詞
1番・在校生

「ありがとう」をあなたに
今日まで手を引いてくれた
消えない優しさ ぬくもりが
なにより大事な宝物
また会う日まで
また会う日まで
約束するよ 託してくれた
希望のバトンを
明日へ繋いでゆくこと

2番・6年生

「さようなら」をあなたに
明日へ笑顔 渡すために
寂しさより 光の顔で
大きく大きく 手を振ろう
また会う日まで
また会う日まで
約束するよ 共に描いた
素晴らしい夢を
いつかきっと 叶えること

在校生と6年生のかけ合い

いつまでも(いつまでも)
忘れない(忘れない)
共に(歩んだ)遥かな季節
ありがとう(さようなら)
あなたらしく(君らしく)
輝いて また会う日まで

FOR TEACHERS & CHILDREN

先生と子どもたちのための資料集

Overview曲の概要
おすすめの場面6年生を送る会、卒業の集い、在校生と卒業生が歌を交わす場面
対象の目安小学校中学年以上。二つの集団による呼び交わしを生かせる
テンポ・拍子♩=86、4分の4拍子
音域全声部総合C4〜F5。中央のドC4から、その1オクターブ上のファまで(譜面目視による暫定実測)
演奏時間約2分57秒。素材記載値であり、完成音源による実測は要本人確認
Materials楽譜・音源
山田聡先生
楽譜には、歌い方のヒントがぎっしり書き込まれています。音源と両方そろうと、練習の道しるべになりますよ。── 山田聡先生
楽譜・CD
作品集「越えてゆけ」表紙
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Words to Expression歌詞の解説
ボス先生(中学校国語の先生)
言葉の意味は、一つに決めなくていいんです。「こうも読める」が見つかるたび、歌い方も増えていく。詩を読むのと、同じですね。── ボス先生
作者の説明で確認できること歌詞から広がる言葉の可能性
歌詞全体から読める一つの可能性

別れを終わりにする歌ではなく、送り出す側と旅立つ側が互いの言葉を受け取り、別々の場所へ進んでも関係を結び直せると願う歌。

約束の内容は一つに決められていない。再会、夢、受け継ぐこと、自分らしくいることなど、異なる願いを二つの声が交換し、最後は言葉のないAhへ預ける。

気になる言葉を選んで、開いてみてください。

約束
読みの手がかり必ず果たす義務だけでなく、離れた後も相手を思えるように置く言葉と読める。
歌い比べ決意を明確に出す/まだ分からない未来へ柔らかく置く。
また会う日
読みの手がかり具体的な再会の日だけでなく、思い出す時、同じ歌を歌う時も含められる。
歌い比べ遠くへ呼びかける/すぐ隣で再会を確かめる。
ありがとう作者の説明
読みの手がかり資料では、在校生から6年生へ渡す言葉として説明される。
歌い比べ明るくすぐ渡す/別れを惜しみながら息を長く保つ。
さようなら作者の説明
読みの手がかり6年生から在校生へ渡す言葉として資料に示される。関係の消滅だけを意味しない。
歌い比べ語尾をはっきり閉じる/次の句へ息を残し、つながりを保つ。
バトン作者の説明
読みの手がかり完成稿では、在校生が希望のバトンを受け継ぐ構想が説明される。物ではなく、行動、雰囲気、やさしさの比喩として開ける。
歌い比べ受け取る瞬間を短く明瞭に歌う/次へ運ぶ長いフレーズで歌う。
希望作者の説明
読みの手がかり在校生が受け継ぐものとして資料に記される。大きな目標だけでなく、小さな安心や続けたい習慣も含められる。
歌い比べ明るく上向きに歌う/静かに守るものとして柔らかく歌う。
作者の説明
読みの手がかり6年生がそれぞれの夢へ向かう言葉として説明される。具体的な将来像がなくても、進む方向の比喩として歌える。
歌い比べ遠方へ伸ばす/胸の内で確かめる。
自分らしく作者の説明
読みの手がかり資料では、再会までそれぞれが自分らしく進む願いが語られる。「変わらない」より、自分で選びながら変化することも含む。
歌い比べ各声部の色を残す/二つの声を溶かして支え合う。
向き合う作者の説明
読みの手がかり在校生と6年生が向かい合い、歌でメッセージを交換する舞台像が説明される。
歌い比べ相手の方向へ子音を届ける/正面を向かず、互いの音を耳で受け取る。
Ah
読みの手がかり1回目の結びと全曲の最後に、言葉のない母音が置かれる。
歌い比べ一つの響きに溶かす/上下声部の線を聞こえ分け、複数の思いを残す。
AI Picture Story学校での取り組み例

AIと対話しながら、
歌詞から生まれた物語を一枚の絵に

こなっしー先生(小梨貴弘先生)
AIはたくさんの案を出してくれます。でも「これだ」と選ぶのは、歌を聴いた自分の心。友だちと絵がちがうほど、面白いんです。── こなっしー先生
この場所には、これから「約束~また会う日まで~」の一枚絵が並びます。
学校では、こんな形で取り組めます
INDIVIDUAL

一人ひとりの物語をつくる

心に残った歌詞を選び、自分が思い浮かべた主人公、風景、色をAIとの対話で一枚絵にします。絵の違いが、そのまま歌の受け取り方の違いになります。

GROUP

グループで場面を持ち寄る

歌詞を意味のまとまりに分け、一人一場面ずつ案を出します。なぜその構図や表情にしたのかを話し合い、一枚の絵物語へまとめます。

CLASS

クラスに一枚を残す

学級で大切にしたい言葉を出し合い、先生が対話をまとめます。そのクラスだけの歌の受け取り方を教室に残せます。

進め方の一例

聴いて、言葉を選ぶ

歌を聴き、心が動いた歌詞と、その理由を短く書きます。

場面を言葉にする

誰が、どこで、どんな表情をしているか。浮かんだ色や光もAIへ伝えます。

案を比べ、話し合う

画像を作る前に場面案を読み、歌詞に合っているかを確かめます。

作って、直して、語る

絵を見て対話を続け、最後に「なぜこの絵にしたか」を自分の言葉で伝えます。

ChatGPTへの最初の指示例

合唱曲「約束~また会う日まで~」を聴いて、心に残った歌詞と、浮かんだ場面をまとめました。この曲を五〜八場面の一枚絵にする案を考えてください。各場面について「歌詞の意味」「絵にする瞬間」「人物の表情」「色と光」を提案し、画像を作る前に私へ確認してください。私の解釈を大切にし、違う考えを勝手に決めつけないでください。
大切にしたいこと:AIの提案を正解にせず、歌を聴いた自分の感じ方を中心にします。画像内の歌詞は、最後に入稿譜と一文字ずつ照合します。学校や自治体の生成AI利用ルールに沿って行ってください。
Teaching Tips指導のコツ
ともちゃん先生
ぜんぶ一度にやらなくて大丈夫。クラスに合いそうなものを、今日はひとつだけ試してみてください。── ともちゃん先生

1〜5・前奏から歌い出し:4小節の前奏後、静かな息でそろえて入る

4拍を数える → 4小節末で吸う → 最初の子音 → 音程を付ける

8〜9・ハ長調への転調:シャープ3個が外れ、開始音と音色が変わる

9小節の和音を聞く → 初音をハミング → 8〜10小節 → 歌詞

9〜23・二部:長い言葉の中で上下が異なる動きを保つ

ことば読み → 声部別の母音唱 → 片方ハミング → 二部を小さく重ねる

23〜29・括弧の分岐:1回目はAhから5へ戻り、2回目は29へ進む

28→5と23→29を指で追う → 伴奏だけ → 歌を加える

Curriculum指導要領に沿ったポイント
フルティ先生(古川敏子先生)
指導要領って堅そうに見えるでしょ?でも、そこさえ押さえておけば、あとは自由なのよ。根拠を持って歌えることが、子どもの自信になるの。── フルティ先生

この曲で見取れる姿を、音楽の仕組みと歌詞の内容から整理します。

知識・技能

A→Cの転調、反復括弧、二部、呼び交わし、rit. 演奏順と役割を理解し、転調後の音程と相手との入口を保てる

思考・判断・表現

感謝、別れ、約束、二つの立場 立場と距離に応じた音色を複数試し、声部の渡し方を選べる

共通事項6視点──手がかり・行うこと・深まる学び
視点曲にある手がかり歌いながら行うこと深まる学び
音色・強弱二つの立場、Ahの終結感謝と別れを複数の音色で歌い比べる感情を音量だけでなく音色で表せる
リズム・フレーズ♩=86、短い呼び交わし長い句と短い句の息を比べる相手へ渡るフレーズを作れる
音の重なりユニゾン、二部、交互唱一声、交互、二声を順に試す重なり方が関係を示すと分かる
反復・変化5小節から1・2番同じ旋律を二つの立場で歌う反復が視点の交換になると捉えられる
調・和音イ長調からハ長調、終盤の色彩和音転調前後と終盤の和音を聞き比べる和音が別れの単純でない感情を支えると気づく
題材名・目標例

題材名の例

「約束~また会う日まで~」の言葉と音の変化を聴き合い、歌い方をつくろう

対象の目安:小学校中学年以上。二つの集団による呼び交わしを生かせる

目標例

  • A→Cの転調、反復括弧、二部、呼び交わし、rit. 演奏順と役割を理解し、転調後の音程と相手との入口を保てる
  • 感謝、別れ、約束、二つの立場 立場と距離に応じた音色を複数試し、声部の渡し方を選べる
テーマへの配慮:卒業、別れ、再会、夢は、学校に通い続けられなかった経験、転校、死別、望まない別れ、将来への不安に触れうる。実体験を語ることや、特定の相手へ約束することを求めない。二つの集団の配置も、学年や上下関係を強調するためではなく、声を交換する音楽の形として扱う。 ありがとう、さようなら、また会うのどれか一つを正しい気持ちにしない。声を出しにくい場合はAh、呼吸、相手の入口を示す動き、伴奏を聞く役割などを認め、涙や笑顔を成果のしるしにしない。

根拠資料:文部科学省 「小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 音楽編」。ここに示した内容は、約束~また会う日まで~の楽譜と歌詞から考えられる提案例です。学校や子どもたちの実態に合わせて調整してください。

Difficulty Mapこの曲の難所マップ
大志くん
つまずく場所は、だいたいみんな同じなんです。先にわかっていれば、怖くない。ひとつずつ越えていきましょう!── 大志くん
楽譜上の難所
練習順
1〜5・前奏から歌い出し
楽譜上の難所4小節の前奏後、静かな息でそろえて入る
練習順4拍を数える → 4小節末で吸う → 最初の子音 → 音程を付ける
8〜9・ハ長調への転調
楽譜上の難所シャープ3個が外れ、開始音と音色が変わる
練習順9小節の和音を聞く → 初音をハミング → 8〜10小節 → 歌詞
9〜23・二部
楽譜上の難所長い言葉の中で上下が異なる動きを保つ
練習順ことば読み → 声部別の母音唱 → 片方ハミング → 二部を小さく重ねる
23〜29・括弧の分岐
楽譜上の難所1回目はAhから5へ戻り、2回目は29へ進む
練習順28→5と23→29を指で追う → 伴奏だけ → 歌を加える
30〜35・呼び交わし
楽譜上の難所二集団の入口が連続し、相手の句へ入り込むことがある
練習順片方は歌い片方は聞く → 役割交代 → 最初の子音だけ交換 → 全句
36〜42・高音とrit.
楽譜上の難所上声が高い音域へ進み、母音の響きと終止の速度をそろえる
練習順高音を母音で取る → 下声を加える → 息の方向を決める → 伴奏とrit.
Teachers' Practice先輩先生の実践
天野朝代先生
先生方の小さな工夫が、となりの学校の宝物になります。この歌の実践、ぜひ聞かせてください。── 天野朝代先生
この場所には、これから先輩先生方の実践(歌い方・場の工夫・子どもたちの姿)が並びます。

実践者募集

この歌を学校で扱ってくださった先生、ほかの先生にもシェアできる工夫をお持ちの先生、ぜひご連絡ください。集まり次第、この場所に掲載していきます。

実践・資料を送る

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Story作者の言葉
ゆげちゃんと旅ワンくん
この歌が生まれるまでのこと、すこしだけ話させてください。── ゆげちゃん

僕はこの曲を、卒業式を迎える6年生と在校生が、ステージの上で向き合って、おたがいにメッセージを歌い合える歌にしたいと思って書きました。だから、交代交代に歌うと自然にひとつの物語になるように、声の割り振りを組んでいます。

1番は、在校生が6年生へ「ありがとう」を歌うところから始まります。今日まで手を引いてくれた、消えない優しさとぬくもり。それは、大切な宝物だと思います。そして在校生は、その学校に流れてきた伝統や雰囲気——目には見えないけれど、たしかに受け継がれてきた希望のバトンを、自分たちが明日へ繋いでいくことを誓って、1番を歌い終えます。ただ見送るのではなく、「ちゃんと受け取ったよ」という気持ちが、歌う子どもたちから自然とにじみ出てくれたらいいなと思っています。

2番は、今度は6年生が「さようなら」とみんなに歌いかけます。卒業はやっぱり寂しい。でも、その寂しさにのまれてしまうのではなく、光の顔で、大きく大きく手を振ろう。在校生と、隣にいてくれた友だちと、いっしょに描いてきた夢を、いつかきっと叶える。それを「約束」として歌います。

タイトルの「約束」には、一人ひとり違う約束があっていいと思っています。叶えたい夢も、これから歩いていく道も、みんな違う。その一人ひとりの誓いを、そっと束ねられたらと思って、この言葉にしました。

そして最後は、在校生と6年生の掛け合いのコーラスです。「いつまでも」「忘れない」と呼び交わし、「ありがとう」「さようなら」「あなたらしく」「君らしく」と、たがいの言葉を重ね合わせながら、「輝いて また会う日まで」と結びます。

「ずっと忘れないよ」——これも、ひとつの約束です。続くのは、こんな願いです。あなたがあなたらしく、君が君らしく輝いていようね。それはきっと、「そんな自分たちで、またいつか会おうね」という約束でもあります。

別れの寂しさだけで終わるのではなく、「また会う日まで」という、前を向いた約束として。送る側と送られる側、その両方の声が重なり合うこの歌を、子どもたちの歌声で届けてもらえたら、こんなに嬉しいことはありません。

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Credit収録
詞・曲
作詞・作曲:弓削田健介
第五章 6年生に贈るうた
録音
黒沢尻北小学校