第五章 ── 6年生に贈るうた
No.14

エール(いってらっしゃい6年生)

作詞:藤原ジュン/作曲:弓削田健介
楽譜集 本文p.74

レインボーと対の歌。引き継がれた下級生の気持ちを、6年生へ。

Listenきいてみる
旅ワンくん
「エール(いってらっしゃい6年生)」は、レインボーと対の歌。引き継がれた下級生の気持ちを、6年生へ。 言葉と音の変化を聴いてみるワン!── 旅ワンくん

演奏:黒沢尻北小学校

Lyrics歌詞
1番

いまも聴こえる
やさしい あの声
ジャングルジムのてっぺんに
輝く星の歌のように
名前よんでくれた
うれしさ おぼえてる
その手の大きさを あたたかさを
おぼえてる

2番

憧れたのは
まぶしい かけ声
朝礼台の青空に
大きく旗をふる笑顔
バトンをわたされた
うれしさ 忘れない
その目の輝きを たくましさを
忘れない

共通サビ

はなれても つながってる
いってらっしゃい 6年生
いつまでも つながってる
いってらっしゃい 6年生

応援団

ジャングルジムに登って
今度は ぼくたちが応援団になって
エールをおくろう!
フレー! フレー! フレー!
フレー! フレー! フレー!
(ラララララ・ラララララ♪)

結び

はなれても つながってる
いってらっしゃい 6年生
(フレー! フレー! フレー!)
いつまでも つながってる
(フレー! フレー! フレー!)
行ってらっしゃい 6年生
行ってらっしゃい 6年生

FOR TEACHERS & CHILDREN

先生と子どもたちのための資料集

Overview曲の概要
おすすめの場面6年生を送る会、卒業関連の集会、全校や複数学年による応援歌
対象の目安小学校中学年以上。掛け声とLa Laを分担すれば低学年も一部参加できる
テンポ・拍子楽譜に速度標語・速度数値の印刷なし、4分の4拍子
音域全声部総合B3〜E5。中央のドC4の半音下のシから、その1オクターブ上のミまで(譜面目視による暫定実測)
演奏時間約4分34秒。素材記載値であり、完成音源による実測は要本人確認
Materials楽譜・音源
山田聡先生
楽譜には、歌い方のヒントがぎっしり書き込まれています。音源と両方そろうと、練習の道しるべになりますよ。── 山田聡先生
楽譜・CD
作品集「越えてゆけ」表紙
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Words to Expression歌詞の解説
ボス先生(中学校国語の先生)
言葉の意味は、一つに決めなくていいんです。「こうも読める」が見つかるたび、歌い方も増えていく。詩を読むのと、同じですね。── ボス先生
作者の説明で確認できること歌詞から広がる言葉の可能性
歌詞全体から読める一つの可能性

卒業する6年生だけを主役にする歌ではなく、見送る在校生も次の学校を担う一員となり、感謝と応援を声の層として一緒に立ち上げる歌。

いってらっしゃいは、遠くへ追い出す言葉ではなく、戻れる場所から送る日常の言葉でもある。歌、掛け声、La Laが重なることで、一つの別れに複数の参加の仕方を残す。

気になる言葉を選んで、開いてみてください。

エール
読みの手がかり一方向に力を与えるのでなく、送る側も相手の存在から力を受け取り直す交換と読める。
歌い比べ子音を鋭くして力強く/母音を広げて温かく。
いってらっしゃい
読みの手がかり送り出す言葉の中に、また戻れる場所の存在が含まれる。別れと日常の続きが同時にある。
歌い比べ遠くへ明るく放つ/近くの一人へ柔らかく渡す。
6年生
読みの手がかり題名と歌詞で具体的な相手が示される。理想像ではなく、その場にいる複数の一人ひとりを指す。
歌い比べ全体へそろえて呼びかける/一人ずつ名前を思う距離で歌う。
ありがとう作者の説明
読みの手がかり作詞者資料では、6年生への感謝と、残る側の思いが制作の中心として語られる。
歌い比べ明るくすぐ届ける/思い出を受け止め、息を長く保つ。
思い出
読みの手がかり全員が同じ経験を共有したという意味ではなく、同じ学校の中に複数の記憶があると考えられる。
歌い比べ音色をそろえて共通の時間にする/声部の色を残して違う記憶を重ねる。
受け継ぐ作者の説明
読みの手がかり完成稿では、学校に残る在校生の気持ちを重視したと説明される。前と同じにするだけでなく、自分たちの方法で続けることも含む。
歌い比べ拍の芯を強くして決意を出す/相手から手渡されるように柔らかく始める。
応援団
読みの手がかり特定の衣装や大声だけでなく、相手を見送り、自分の役割を担う集団の比喩として読める。
歌い比べ掛け声を短くそろえる/歌の線を長く保ち、支える。
フレー
読みの手がかり終盤で歌の旋律と並ぶ掛け声。短い言葉で拍と集団の呼吸を集める。
歌い比べ鋭く短く/母音を少し保ち、次の層へつなぐ。
La La
読みの手がかり具体的な言葉を持たず、主旋律や掛け声を包む。言葉を担当しなくても音楽に参加できる層になる。
歌い比べ軽く弾ませる/滑らかなレガートで背景を作る。
行ってらっしゃい
読みの手がかり最終部では漢字で印刷される。前半と同じ発音でも、譜面上の見え方が変わる。
歌い比べ終着点として明瞭に歌う/次の歩みへ続くように語尾の響きを残す。
AI Picture Story学校での取り組み例

AIと対話しながら、
歌詞から生まれた物語を一枚の絵に

こなっしー先生(小梨貴弘先生)
AIはたくさんの案を出してくれます。でも「これだ」と選ぶのは、歌を聴いた自分の心。友だちと絵がちがうほど、面白いんです。── こなっしー先生
この場所には、これから「エール(いってらっしゃい6年生)」の一枚絵が並びます。
学校では、こんな形で取り組めます
INDIVIDUAL

一人ひとりの物語をつくる

心に残った歌詞を選び、自分が思い浮かべた主人公、風景、色をAIとの対話で一枚絵にします。絵の違いが、そのまま歌の受け取り方の違いになります。

GROUP

グループで場面を持ち寄る

歌詞を意味のまとまりに分け、一人一場面ずつ案を出します。なぜその構図や表情にしたのかを話し合い、一枚の絵物語へまとめます。

CLASS

クラスに一枚を残す

学級で大切にしたい言葉を出し合い、先生が対話をまとめます。そのクラスだけの歌の受け取り方を教室に残せます。

進め方の一例

聴いて、言葉を選ぶ

歌を聴き、心が動いた歌詞と、その理由を短く書きます。

場面を言葉にする

誰が、どこで、どんな表情をしているか。浮かんだ色や光もAIへ伝えます。

案を比べ、話し合う

画像を作る前に場面案を読み、歌詞に合っているかを確かめます。

作って、直して、語る

絵を見て対話を続け、最後に「なぜこの絵にしたか」を自分の言葉で伝えます。

ChatGPTへの最初の指示例

合唱曲「エール(いってらっしゃい6年生)」を聴いて、心に残った歌詞と、浮かんだ場面をまとめました。この曲を五〜八場面の一枚絵にする案を考えてください。各場面について「歌詞の意味」「絵にする瞬間」「人物の表情」「色と光」を提案し、画像を作る前に私へ確認してください。私の解釈を大切にし、違う考えを勝手に決めつけないでください。
大切にしたいこと:AIの提案を正解にせず、歌を聴いた自分の感じ方を中心にします。画像内の歌詞は、最後に入稿譜と一文字ずつ照合します。学校や自治体の生成AI利用ルールに沿って行ってください。
Teaching Tips指導のコツ
ともちゃん先生
ぜんぶ一度にやらなくて大丈夫。クラスに合いそうなものを、今日はひとつだけ試してみてください。── ともちゃん先生

1〜7・前奏から歌い出し:速度記載がない中で、伴奏と4拍の流れを共有する

伴奏の拍を歩く → 6小節末で吸う → 最初の子音 → 音程

15〜24・歌詞と二部準備:言葉が続き、サビ前に息と音程が崩れやすい

ことば読み → 息の場所を決める → 母音唱 → 伴奏と合わせる

25〜39・二部サビ:高い音域を含む二部で、いってらっしゃい 6年生の言葉が重なる

声部別 → 母音だけ → 片方ハミング → 二部 → 子音の位置をそろえる

39〜42・括弧と転調:2回目だけ41小節を経てヘ長調へ入り、進路と初音が変わる

40→7確認 → 39→41→42確認 → 42小節の和音と初音 → 通す

Curriculum指導要領に沿ったポイント
フルティ先生(古川敏子先生)
指導要領って堅そうに見えるでしょ?でも、そこさえ押さえておけば、あとは自由なのよ。根拠を持って歌えることが、子どもの自信になるの。── フルティ先生

この曲で見取れる姿を、音楽の仕組みと歌詞の内容から整理します。

知識・技能

反復括弧、A→F→A、二部、掛け声、La La 経路と転調後の初音を理解し、自分の役割を保って歌える

思考・判断・表現

感謝、応援、受け継ぐ側の視点、三層の音 どの層を前へ出すか、音色と強弱を複数試し、届けたい言葉から選べる

共通事項6視点──手がかり・行うこと・深まる学び
視点曲にある手がかり歌いながら行うこと深まる学び
音色・強弱感謝、掛け声、最終の呼びかけ力強い音色と温かい音色を歌い比べる応援を音量だけにせず表せる
リズム・フレーズ4拍子、フレー、長い主旋律掛け声の短い拍と歌の長い息を重ねる異なる長さが同じ拍を共有すると分かる
音の重なり二部、主旋律+掛け声+La La一層、二層、三層の順で聞く重層が全校の多様な参加を作ると捉えられる
反復・変化7小節から1・2番1番と2番の言葉・音色を比べる同じ音楽が受け継ぐ視点へ変わると気づく
調・和音イ長調→ヘ長調→イ長調三つの場面の開始和音を聞き比べる調の変化が立場と行動の変化を示すと分かる
題材名・目標例

題材名の例

「エール(いってらっしゃい6年生)」の言葉と音の変化を聴き合い、歌い方をつくろう

対象の目安:小学校中学年以上。掛け声とLa Laを分担すれば低学年も一部参加できる

目標例

  • 反復括弧、A→F→A、二部、掛け声、La La 経路と転調後の初音を理解し、自分の役割を保って歌える
  • 感謝、応援、受け継ぐ側の視点、三層の音 どの層を前へ出すか、音色と強弱を複数試し、届けたい言葉から選べる
テーマへの配慮:卒業、学校の思い出、上級生への感謝は、全員に同じ意味を持たない。6年生を理想化した文章や個人的な思い出の発表を求めず、歌詞の役を演じることを認める。学校に残る側へ「伝統を必ず守る」という責任を負わせず、自分たちの方法へ変えてよい余地を示す。 大きな掛け声や全校の迫力は資料上の初演エピソードだが、再現を必須にしない。強い音が負担になる子、声を出しにくい子にはLa La、拍、呼吸、譜めくり、聞き手などを用意する。涙を感動の証拠にせず、静かな受け取り方も尊重する。

根拠資料:文部科学省 「小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 音楽編」。ここに示した内容は、エール(いってらっしゃい6年生)の楽譜と歌詞から考えられる提案例です。学校や子どもたちの実態に合わせて調整してください。

Difficulty Mapこの曲の難所マップ
大志くん
つまずく場所は、だいたいみんな同じなんです。先にわかっていれば、怖くない。ひとつずつ越えていきましょう!── 大志くん
楽譜上の難所
練習順
1〜7・前奏から歌い出し
楽譜上の難所速度記載がない中で、伴奏と4拍の流れを共有する
練習順伴奏の拍を歩く → 6小節末で吸う → 最初の子音 → 音程
15〜24・歌詞と二部準備
楽譜上の難所言葉が続き、サビ前に息と音程が崩れやすい
練習順ことば読み → 息の場所を決める → 母音唱 → 伴奏と合わせる
25〜39・二部サビ
楽譜上の難所高い音域を含む二部で、いってらっしゃい 6年生の言葉が重なる
練習順声部別 → 母音だけ → 片方ハミング → 二部 → 子音の位置をそろえる
39〜42・括弧と転調
楽譜上の難所2回目だけ41小節を経てヘ長調へ入り、進路と初音が変わる
練習順40→7確認 → 39→41→42確認 → 42小節の和音と初音 → 通す
49〜50・イ長調への帰還
楽譜上の難所ヘ長調からシャープ3個へ戻り、掛け声とLa Laが始まる
練習順50小節の和音 → 各役割の初音・最初の拍 → 二層 → 全層
50〜69・三つの役割
楽譜上の難所主旋律、掛け声、La Laが同時に進み、音量競争になりやすい
練習順役割別 → 二役ずつ → 全役を小音量 → 聞かせたい層を入れ替える → バランス決定
Teachers' Practice先輩先生の実践
天野朝代先生
先生方の小さな工夫が、となりの学校の宝物になります。この歌の実践、ぜひ聞かせてください。── 天野朝代先生
この場所には、これから先輩先生方の実践(歌い方・場の工夫・子どもたちの姿)が並びます。

実践者募集

この歌を学校で扱ってくださった先生、ほかの先生にもシェアできる工夫をお持ちの先生、ぜひご連絡ください。集まり次第、この場所に掲載していきます。

実践・資料を送る

ボタンでメールが開かないときは、こちらへ:yuge@mbfc.or.jp

Story作者の言葉
ゆげちゃんと旅ワンくん
この歌が生まれるまでのこと、すこしだけ話させてください。── ゆげちゃん

(作詞者・藤原ジュンさんより)

この歌詞は、前任校で担任した6年生の卒業シーズンに、下級生のお世話をしてくれた彼らへ送りたかったメッセージでした。当時は未完成で発表できないまま彼らは卒業してしまいましたが、直後に異動したこちらは再び6年生の担任となり、今の学校の「6年生を送る会」で全下級生と一緒に合唱することができました。

この歌詞は、引き継がれた側の気持ちを大事にすることで、下級生一人一人が主体性や意欲をもって歌えるようにしています。実際、当日の会の最後に全下級生で合唱したこの歌は、体育館全体が震える大迫力となり、卒業間近に迫った6年生達も涙を流して感動していました。

作詞の機会を与えてくれた弓削田さんに感謝しています。

藤原ジュン

Print授業資料(印刷)
Credit収録
詞・曲
作詞:藤原ジュン/作曲:弓削田健介
第五章 6年生に贈るうた
録音
黒沢尻北小学校