「春」と聞いて、どんなイメージが湧きますか?
桜、入学式、クラス替え、新しい友達。
中学生のドキドキワクワクを歌にした「春に」は人気の合唱曲ですね。
こんにちは、作曲家の弓削田健介(ゆげたけんすけ)です。
今日は「春に」を合唱コンクール・卒業式・授業で使いたい先生に向けて、動画資料とコツを紹介します。
「春に」の歌詞・メロディーが伝えたいことは何なのかを考えながら表現を工夫しましょう。
「春に」合唱
まずは「春に」の合唱を見てみましょう。
中学生が好きな合唱曲に必ずと言っていいほど出てくる曲です。
歌詞とメロディーから、心が弾むような感情を覚えたのではないでしょうか?
「春に」の成り立ち
「春に」の作詞は谷川俊太郎さん。
もともとは詩集『どきん』に収録されていた詩で、中学校の国語の教科書に収録されていました。
その詩に木下牧子さんが曲をつけたのが、合唱曲集『地平線のかなたへ』です。
『地平線のかなたへ』は「春に」を含む5曲からなり、中学生に希望を与えるような明るい曲ばかりです。
- 春に
- サッカーによせて
- 二十億光年の孤独
- 卒業式
- ネロ-愛された小さな犬に
「春に」はクラス合唱にもっとも向いていますので、生徒たちにも支持されています。
「春に」の歌詞
「春に」の歌詞はエネルギッシュで、中学生の期待をつづっています。
合唱の練習前に、歌詞を朗読したり、意味を考えたりする時間を作ってみてはいかがでしょうか。
詩(歌詞)の伝えたい事を理解してから歌うと、生徒のやる気アップにつながります。
例えば、4月、先生やクラスメイトに初めて会ったときのことを思い出すように指導するとよいでしょう。
この気持ちは何だろう
この気持ちは何だろう
目に見えないエネルギーの流れが
大地から足の裏を伝わって
この気持ちは何だろう
この気持ちは何だろう
ぼくの腹へ胸へそしてのどへ
声にならない叫びとなってこみ上げる
この気持ちは何だろう枝の先のふくらんだ
新芽が心をつつく
喜びだしかし悲しみでもある
苛立ちだしかも安らぎがある
憧れだそして怒りが隠れている
心のダムに堰き止められ
よどみ渦巻きせめぎ合い
今あふれようとするこの気持ちは何だろう
この気持ちは何だろう
あの空のあの青に手をひたしたい
まだ会ったことのないすべての人と
会ってみたい話してみたい
明日と 明後日が一度に来るといい
ぼくはもどかしい地平線のかなたへと歩き続けたい
そのくせじっとしていたい
この草の上でじっとしていたい
声にならない叫びとなってこみ上げる
この気持ちは何だろう
作詞:谷川俊太郎
作曲:木下牧子
(許諾番号9020135001Y38029)
「春に」パート別資料
「春に」は混声三部合唱が基本です。
全体的にゆっくりとした雰囲気なので、あせってテンポを崩さないようにしましょう。
歌詞「この気持ちは何だろう」の2回目は単調になりやすいので、より力を込める感じにします。
言葉の意味と表情を連動させることも忘れずに。
ソプラノパート
アルトパート
テノールパート
ピアノ伴奏
まとめ
「春に」を指導する際に知っておきたい動画資料とコツ・ポイントを紹介しました。
中学生ならではのドキドキ感を上手く歌にのせることができれば、聞く人の心に響きます。
「春に」の詩(歌詞)を理解してから合唱練習に入りましょう。
「春に」以外のおすすめ合唱曲「春はいま」
「春」という言葉が曲名に入った歌はたくさんあります。
紹介した「春に」に、「春が来た」・「春の小川」・「どこかで春が」などなど。
今回、春日北中学校創立20周年を記念して「春はいま」という合唱曲を作りました。
こちらもぜひ聞いてみてくださいね。
「春はいま」歌詞
春はいま 春はいま
私の胸にある
歩き出す新しい空 見上げて夢を見る 夢を見る
あなたと小さな喜びを
わけあえる あすの日故郷(ふるさと)の風はいつも 優しい顔で守ってくれる
高めあう友の絆は 心のコンパスになった物語がはじまる 限りない未来に帆をあげよう
春が来た 春が来た
僕らの空に来た
踏みだそう新しい夢 あたためてさよならは さよならは
笑顔で歌おう 忘れないで
どこにいても つながっている未知に立ち止まるときは
あの日のように 先ず動きだそう
大切な仲間に会える春はいま 春はいま
私の胸にある
歩き出す新しい空 見上げて夢をいま 夢をいま
あなたと始めよう
忘れないよ 輝く日々 その眼差し
ありがとう さようなら ありがとう
作詞・作曲 弓削田健介