世界を旅する 出会いから音楽が生まれる
    

Masa Fukuda(福田真史)さん|One Voice Children’s Choir「君だけの声を聴かせて」を読んで

Masa Fukuda(福田真史)さんとの出会い

この「Let it go」を歌っているのは、One Voice Children’s Choir。アメリカ、ソルトレイクシティを拠点にする子どもたちの合唱団です。
素晴らしい歌声の子どもたちを率いるのは、なんと日本人!Masa Fukuda(福田真史)さんです。

2017年10月、熊本震災のチャリティコンサートのために日本に訪れたみなさんの素晴らしい歌声に感動し、Masaさんともお話させていただきました。
ものすごく柔らかく、優しい笑顔で迎えてくださったMasaさん。そして子どもたち。
福岡のレストランでコンサート後の食事をしている時にご挨拶させていただき、僕が作曲家ということを伝えると、子どもたちはその場で歌を歌ってくれたのです!
家族のような合唱団の雰囲気と、その歌声に感動し、大ファンになりました。

今年(2018年)そんなMASAさんの本が発売され、早速読ませていただき、MASAさんとOne Voice Children’s Choirの絆に改めて感動しています。


右からMASAさん、弓削田、クリスティーナさん

「君だけの声を聴かせて」を読んで

君だけの声を聴かせて

短い練習時間

まず驚いたのは「メンバーが集う合同練習は週に1回、2時間程度」ということ。
忙しい現代っ子たちの時間を合わせるのはこれが限界なのだそうです。このあたりの事情は、日本と同じですね。
では、どうやって、MASAさんたちは短い練習時間でもあのように素晴らしい音楽を作れるのでしょうか。

MASAさんの作り上げた練習システムに秘密があります。その1つが、パート練習のやり方。
特設のWEBサイトでパート練習音源がダウンロードでき、いつでもどこでも、子どもたちのペースで練習できるようにしているのです。
「このシステムがなければ、毎回集まって3時間練習をしないと、肝心の表現力を磨く練習に時間がとれない」とのこと。

子どもたちの個性を尊重する

「競争するのではなく、お互いを支え合うことが大切」

「指導者が同じ歌い方を求めると、どうしても個性は失われてしまう。それは面白いことでしょうか?豊かなことでしょうか?僕は、そうは思いません。」

「違う個性を持つ子どもたちが、それぞれ自由に歌っても、美しいハーモニーになるようにする。それがディレクターの力の発揮しどころ」

MASAさんの言葉です。One Voice Children’s Choirの歌声にたくさんの人が心を奪われる秘密が、これらの言葉に隠されているような気がします。

One voiceの音楽に施されたMASAさんの工夫

・どの曲も、7~8パートに分けるようにしている。

・個性を尊重し、それぞれが自分らしく歌っている。

・誰もがチャレンジできる「ソロパート」がある。

それぞれの工夫は、すべて「メッセージを伝えるため」に施されているのだと思いました。
MASAさんが曲選びから携わり、大切にしていることが「歌の持つメッセージ」を通じて、聴いている人とコミュニケーションをとること。心と心でつながること。

「君にもできる」は魔法の言葉

ソルトレイクシティ冬季オリンピックの時に一緒に仕事をしたアレンジャーのグレッグ・ハンセン氏にもらった言葉で、
MASAさんを音楽プロデューサーへと導いてくれた言葉だそうです。
子どもたちに「MASAができることは僕にもできること」と思ってほしい。
MASAさんの願いです。

プロ意識

1年を通じて、40回以上のステージに立つ「One Voice Children’s Choir」では、子どもたちに「プロ意識」を持つように指導しています。
そうすることで、一人ひとりが責任を持って練習し、イベントの出演時間の都合で一曲カットになったりしても、「プロの現場だから当たり前」と切り替え、最善の努力ができるようになるそうです。

合唱団の一番大切なこと

新しいメンバーが入ってきた時に、保護者の方が印象的だったことは、
MASAさんが「合唱団は大きな家族。一番大切なことは、お互いを大切にして、支え合い、助け合うこと。もし悲しんだり落ち込んでいる子がいたら横に座って話しかけ、励ましてあげて」ということを3回も言っていたということ。
「合唱団は家族」。大切なことは何度も伝えることが大事、というエピソードですね。

本の中では、MASAさんの素敵なご両親とのエピソードも紹介されています。子育てで悩んでおられる方にもオススメの本です!

もっと詳しい情報はPHP研究所のページから。

One Voice Children’s Choirのページもご参照ください。

 

素晴らしい先輩に出会えました

MASAさんとの出会いが嬉しいのは、自分の目指している子どもたちの歌声や音楽、大切にしていることに、たくさんの共通点があるから。MASAさんは年齢的にも実績的にも、音楽的にも、すべてにおいて僕の先輩です。自分の目指す道を先に行く、尊敬できる先輩と出会えたことを心から幸せに思います。紹介してくださったKBCの佐伯さん!ありがとうございます!僕もがんばります。

福田真史さん|Masa Fukuda プロフィール

音楽プロデューサー、ディレクター。1976年大阪府生まれ。
ブリガムヤング大学音楽学科最優秀学長賞を受け卒業。

2002年ソルトレイクシティオリンピック公式CD『LIGHT UP THE LAND』に収録された子どもたちの合唱曲『IT JUST TAKES LOVE』を作曲。
その後、One Voice Children’s Choirを創設し、ディレクターとして指導する他、音楽家としても活躍。
2003年ジョン・レノン音楽祭 Dream Powerミュージック・アワード オリジナル曲部門で『The Innocence of Youth』がグランプリを獲得。
2005年ひろしまフラワーフェスティバルに日米両国の小学生をジョイントし出演。

2014年映画『アナと雪の女王』の挿入歌『レット・イット・ゴー』のカバー曲がその年のYouTube最優秀カバー曲賞を受賞。
同年、アメリカの人気番組『アメリカズ・ゴット・タレント』出演、世界各国から注目が集まる。

2015年ホワイトハウスでのクリスマスコンサートに出演、またオバマ前大統領夫妻の前でも歌を披露。

2017年フランス政府の招待でノルマンディーなどで公演。
同年4月くまモン音楽祭〜こどもが主役の復興音楽祭〜に出演、『くまモン・ソング』を作曲し熊本県へ寄贈。
同年7月NHK BS1スペシャル『MASAと奇跡の合唱団』が放映され多くの反響を得る。
同年9月〜10月福岡県朝倉市、直方市、福岡市、大川市でコンサートをするなど今後ますますの活躍が期待される。

PHP研究所のページより引用)

https://www.youtube.com/watch?v=im3Sz1Oy_Rw

 

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【この記事を書いた人】
弓削田健介(ゆげたけんすけ)
合唱作曲家。主に小中学生が歌う合唱曲を作曲。2020年より音楽の教科書に楽曲が掲載(小学校4年生・教育芸術社)。
キャンピングカーを拠点に合唱曲が歌われている日本全国の小中学校、海外日本人学校などで2000回を超えるスクールコンサートを行う。
旅から得た気づき、出会いと感動を元に作曲するスタイルで、5冊の楽譜集と絵本を出版。
NHK全国放送(おはよう日本)、NHKワールドなど多数のテレビ出演をきっかけに、「放浪の合唱作曲家」と呼ばれる。

Amazon著者ページ「弓削田健介」
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