世界を旅する 出会いから音楽が生まれる
    

宝塚星組公演 『ANOTHER WORLD』『Killer Rouge(キラー ルージュ)』を観て

2500円の立ち見席で宝塚を観た。きらびやかな舞台に合わせて、お客さんたちも華やかだ。ボーダーの布切れをかぶっただけ、みたいな僕は場違いに思えたが、客席後方の立ち見席には、新聞を敷いて場所取りをしている人や、公演中も前の人の肩をずっとモミモミしているおじさんがいたり。お客さまもいろいろ。

男役と女役のオクターブ違いのユニゾンが、新鮮で心地よかったり、歌の達人たちのコーラス、独特な世界観で新しいバンドアレンジ、意外だったのは、吉本新喜劇みたいな笑いがたっぷり詰まった物語。それらが絶妙に絡み合いながら、飽きさせない演出で、3時間があっという間に過ぎていった。

足を伸ばしてあげたり下げたり、誰もが一度は真似した、あのダンスの原点がここにあり、という瞬間は、やはり、おお~と思った。まわりの立ち見組も笑顔だった。

知っている曲が一曲もなくても、アレンジや演者の素晴らしさでこんなにも楽しませてもらえるのか、と感激。わざわざ全国から観に来たり、はまったりする人が大勢いるのもうなずけるし、それを何十年も続けてきた、という伝統を短い時間だけでも感じることができたのは、とても有意義な時間だった。

これからオリジナルミュージカルを創っていくにあたって、今日この日の3時間は、宝物になるだろうと思う。もっとたくさんの宝物作品を観てみたい。

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【この記事を書いた人】
弓削田健介(ゆげたけんすけ)
合唱作曲家。主に小中学生が歌う合唱曲を作曲。2020年より音楽の教科書に楽曲が掲載(小学校4年生・教育芸術社)。
キャンピングカーを拠点に合唱曲が歌われている日本全国の小中学校、海外日本人学校などで2000回を超えるスクールコンサートを行う。
旅から得た気づき、出会いと感動を元に作曲するスタイルで、5冊の楽譜集と絵本を出版。
NHK全国放送(おはよう日本)、NHKワールドなど多数のテレビ出演をきっかけに、「放浪の合唱作曲家」と呼ばれる。

Amazon著者ページ「弓削田健介」
YouTube「世界を旅する音楽室」

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