「気持ちを込めて」「もっと響かせて」「丁寧に」——
伝わらないのは、子どもの理解力の問題ではありません。言い方の問題です。
「よく、『笑顔で歌いなさい』って怒ってる先生を見かけるんですが、 怒られて笑顔になるのは不自然だなぁと思うんです」
『HAPPY MUSIC』p48左を言いたくなったら、右に置き換えてみてください。
これは偶然ではありません。7つのポイントの説明を並べると、動詞が並びます。
フルティ先生は、抽象語で終わらせません。必ず子どもが真似できるイメージに置き換えます。
「いやいや、ゆげちゃんは旅してナンボやろ! 旅をしないゆげちゃんなんて、黒鍵のないピアノみたいなものよ!」
『教育音楽 中学・高校版』2017年10月号「授業に引きつける言葉がけをする」——チェックリストにそう書いてあっても、 何と言えばいいかは書いていません。だから、セリフそのものを載せます。
「音楽は みんなを幸せにしてきたんだよ。そんな気持ちで歌ってみよう。」
「未来を見つめる一人ひとりに まだ誰にも伝えてない大切な夢があるね。それが宝物だよ。」
「自分が魔法使いになって 世界中の人に魔法をかけるように 楽しく歌おう!」
「部活の〇〇先輩に向けて話しかけるように」
「同じ地域の幼なじみの先輩と過ごした時間を思い浮かべながら歌ってごらん」
〔導入〕人はみんな生きていくときに越えなければいけない壁にであうね。
次のテストでは〇〇点以上にしたい!/話したことのない人と話すために声をかけたい。でも勇気がない。/
自分のやりたいことをお母さんに言いたい。反対されるかもしれない…でも言いたい。
〔仕上げ〕全部今の自分から一段階段をのぼるような壁みたいなものです。
人は一つ一つの壁を乗り越えて大人になっていくのです。
さぁあなたの壁はどんな壁? さぁこの歌を歌って乗り越えよう!
弓削田健介の曲には、強弱・発想記号が書かれていないものがあります。 忘れているのではなく、書かないことを選んでいます。
「この曲には強弱記号等が書かれていません。それは、 先生方や子どもたちに自分たちの歌として歌ってほしいからです。」
『教育音楽 中学・高校版』2019年2月号「だから表現記号とか強弱記号も書いてないんだね。指導者としては、 歌詞のメッセージを届けるお手伝いができたらいいなと思うね」
『HAPPY MUSIC』p22(フルティ先生)