世界を旅する 出会いから音楽が生まれる
    

14-fourteen-の最後の一言が決まった葉栗中学校にて

愛知県にある、葉栗中学校での演奏でした。この学校とのご縁は、深いです。

一番最初に呼んでいただいたのは、書道家の伊藤一樹くんとのコラボで、オリジナルソングを作ることになったとき。当時の先生が、愛知県から佐賀県の黒髪少年自然の家まで車で来てくれて、熱意いっぱい、依頼してくれました。

当時の3年生は全クラスで弓削田の合唱曲を歌ってくれていて、教室を回りながら、一言アドバイスをしました。まだ出版されていない楽譜の曲も歌ってくれて、とても嬉しかった。

そのときできた曲が、この曲。

もう十年前ですね。合唱編曲を地域の方がしてくださるとのことで、僕はメロディだけ作ってバトンタッチしました。

それから何度かコンサートをさせていただき、去年のこと。この学校の控室で、当時出版社さんから出してもらった宿題の曲の歌詞を考えていました。14-fourteen-という曲です。

「ありのままの僕を抱きしめてください」という、この曲の一番気に入っている歌詞を変えないといけなかった。「みんなで歌う合唱曲の主人公は、もっと強くあってほしい」という要望からでした。「ありのままの僕を抱きしめてください」と中学2年生が歌うと、聴いている人たちは「ぐっ」と来るだろうなと・・・この1フレーズから始まった曲だけに、ここだけは変えたくないと思っていたので、悩みに悩んだんですね。

でも、葉栗中学校でのコンサートを終えて、中学生と同じ空間で過ごさせてもらった直後「ありのままの僕を抱きしめて歌おう」という言葉が、ふいに浮かんだんです。ずっと悩んでいたので、嬉しくて嬉しくて、涙が止まらなかった。控室から、僕が泣きながら出てきたのを、当時の校長先生が覚えてくれていて、学校が変わってもまたコンサートに呼んでくれた昨日の大和東小学校で、その話をしてくれました。

「そうか!あの控室は、葉栗中学校だったのか!」と思い出して、大和東小学校から移動して、今日の葉栗中学校でした。先生方がとても温かく迎えてくれて、卒業式直前の3年生に歌を聴いてもらって、とても幸せな時間でした。校長先生の雰囲気が乗り移った爽やかな学校で、子どもたちも受験が終わったばかりで、ゆったり聴いてくれました。

41歳、同世代の先生が、コンサートが終わって、子どもたちに熱く語りかけていたのをステージ袖で聴きながら、またまた感動。来年はコロナも終わって、みんなで14-fourteen-を歌えたらいいな。

 

 

楽譜はこちらからご覧いただけます。

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【この記事を書いた人】
弓削田健介(ゆげたけんすけ)
合唱作曲家。主に小中学生が歌う合唱曲を作曲。2020年より音楽の教科書に楽曲が掲載(小学校4年生・教育芸術社)。
キャンピングカーを拠点に合唱曲が歌われている日本全国の小中学校、海外日本人学校などで2000回を超えるスクールコンサートを行う。
旅から得た気づき、出会いと感動を元に作曲するスタイルで、5冊の楽譜集と絵本を出版。
NHK全国放送(おはよう日本)、NHKワールドなど多数のテレビ出演をきっかけに、「放浪の合唱作曲家」と呼ばれる。

Amazon著者ページ「弓削田健介」
YouTube「世界を旅する音楽室」

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