幼い頃、母が学校図書館の司書教諭をしていたこともあり、図書館という空間が大好きで、学生時代は図書館でアルバイトをしていました。アルバイトでお世話になっていた図書館の20周年をきっかけに、「図書館で会いましょう」という歌を作りました。そしてご縁をいただき、日本中の図書館関係者が集う「全国図書館大会」で披露させていただいたのですが、その時、とても素敵な活動をされているNPO法人さんに出会いました。
そのNPOの名前は、SAPESI-JAPANさん。日本で使われなくなった移動図書館車を、南アフリカに贈る活動をされています。代表の蓮沼忠さんは、とてもキラキラとした、パワフルな方で、SONY南アフリカの支社長だったころ、ネルソン・マンデラ元大統領と出会い、南アフリカの教育について語り合い、意気投合され、今でも南アフリカに残り、子どもたちのための活動を続けておられます。南アフリカは、地域によってはまったく学校に図書館がなく、日本から届いた移動図書館車が大活躍しているそうです。
佐賀県にある県立病院「好生館」の緩和ケア病棟(ホスピス)では、毎週金曜日になると地域の方がボランティアで「ひまわり喫茶」という温かい会を開いています。
そこでは、地域のボランティアの方が集まってケーキやお菓子、コーヒーを出したり、絵本の読み聞かせやピアノ、コーラス、ギターなどの演奏も行われています。
ボランティアさんの中には、「ひまわり喫茶」をずっと支えておられるお坊さんがいて、クリスマスの時期になると讃美歌を歌いに来てくれるキリスト教の方もいて、宗教も越えて、みんなで温かい空間を作っているように感じます。
おうちの人の転勤などで、ふるさと日本を遠く離れて、海外で暮らしている子どもたちがいます。慣れない文化、通じない言葉、厳しい環境の中で、一生懸命子ども時代を生きているみなさんに出会い、心を動かされ、日本人学校でのコンサートをはじめました。これまで、ローマ、アムステルダム、アブダビ、チューリッヒ、台北、サンパウロ、ウィーンなどの日本人学校を訪問させていただきました。その中で生まれた歌が「世界中のまだ見ぬ友へ」と「世界を旅する音楽室」です。世界中の子どもたちと、音楽や映像でつながっていける企画を考えています。
「ゆげひる」は、作曲家の弓削田健介と、エンターテイナーの比留間光悦の2人組のユニットです。学校が大好きで、幼い頃から小学校の先生になりたかった弓削田と、幼稚園からまったく学校にいかず、チャップリンみたいなエンターテイナーになることを夢見た比留間。正反対の生い立ちの2人が20歳で出会い、音楽で意気投合して生まれました。
2人の声はとても似ています。活動開始当初は「CSN&Y」のビデオを観たり「サイモン&ガーファンクル」のカバーに挑戦したり、ハーモニーの勉強をしながら、自分たちだけの音楽を作るための模索をしていました。学校現場でのスクールコンサートでは、生き方も音楽性も正反対の二人で作るハーモニーを大切にしています。
弓削田健介の4作目の作品集「HAPPY MUSIC」は、「フルティ」こと音楽指導家の古川敏子先生との共著となりました。フルティの指導術を勉強させていただきながら本を作れたことは、宝物のような経験となりました。
本の中から飛び出して、フルティと2人で音楽の先生方向けの「作曲家と音楽指導家のコラボレーション講習会」も行っています。