静岡県浜松市でのスクールコンサートでした。
バスに揺られて15分。入野小学校へ。
迎えてくださったのは、ニコニコとした表情の先生たち。
校長先生は、やわらかな雰囲気の女性の先生。
その笑顔に、胸の奥がふっとほぐれていきました。
体育館は、すでに夏の気配がただよっていて。
カーテンを閉めるか、開けて風を入れるか、一瞬迷いました。
でも、やっぱり暗転の中で、映像と音楽が重なり合うあの空気を届けたくて、
カーテンを閉めることにしました。
手伝ってくれた先生は、もと技術者。
台車を上手に操って、荷物を運んでくれたり
「素晴らしい声ですね」と言ってくれました。
なんてやさしい一言でしょう。
リハーサルでは、小田さんの「生まれ来る子供たちのために」を少し歌いました。
うん、声が出ている。そんな手応えがありました。
今日のコンサートでは
輪島高校での出来事や、被災地の子どもたちと作った「フェニックス」を紹介しました。
この歌は、ただの新曲じゃなくて、
未来に向かって羽ばたく“再生”の祈りのようなものです。
フェニックスは、全国47都道府県でつなぐプロジェクトにもなっていて、
今日の浜松でも、少年少女合唱団の先生が「ぜひ歌いたい」と言ってくれました。
その言葉が、どれだけ嬉しかったか。
演奏中、僕はいつもより半音高いキーで歌いました。
ちょっとだけ自分に負荷をかけてみる。
そういう小さな挑戦が、きっと明日の声を育ててくれる。
20年歌ってきたけど、まだまだ旅は続いています。
最後は「しあわせになあれ」を大合唱。
スクリーンに映る絵本を見ながら、子どもたちが声を合わせてくれました。
コロナ禍ではできなかったこの光景に、
心がじんわりと満たされていきました。
終演後、校長先生がそっと声をかけてくれました。
「“僕は僕に出会った”という歌詞が、とても心に残りました」と。
この一行のために、どれだけ悩んで、何度書き直したか。
その想いが、まっすぐ届いたことに、胸がいっぱいになりました。
放課後、子どもたちが体育館に集まってきてくれました。
手を合わせて、握手して、
「ありがとう」と伝えました。
帰りの新幹線で、ひとつ嬉しい報告が届きました。
先日の輪島高校でのニュースが、NHK佐賀放送から金沢で再放送、
さらに全国ニュースとして流れることが決まったと。
感謝です。また詳細お知らせします。