新型コロナウイルス感染症のニュースを浴びるように見聞きしているうちに、知らず知らずのうちに心が重くなってしまい、体までつらくなってしまう・・・。
そんなとき、心を少しでも軽くしてくれる「言葉の力」を借りたいと思うのは、僕だけでしょうか?
今日は、いまこそ思い出したい詩、金子みすゞさんの「明るいほうへ」を紹介します。前を向く力を与えてくれる詩です。
こんにちは、作曲家の弓削田健介(ゆげたけんすけ)です。
今日は「明るいほうへ」の魅力や、日本での広がりとともに、子どもたちにこの詩の素晴らしさを届けたくて作曲した「明るいほうへ」の歌を紹介します。
弓削田健介プロフィールはこちら
「明るいほうへ」今こそ読みたい詩
金子みすゞさんと言えば、「わたしと小鳥と鈴と」と「こだまでしょうか」が有名ですよね。
しかし他にも珠玉の言葉をたくさん残しています。
例えば、
- 「明るいほうへ」
- 「大漁」
- 「星とたんぽぽ」
- 「なかなおり」
- 「みんなをすきに」
- 「不思議」
などがあります。(特に人気の詩について、記事を書きました。)
その中でも「明るいほうへ」は、人気があります。
下を向いてしまうような状況でも、やさしい言葉が自然と背中を押してくれるからではないでしょうか。
新型コロナウイルス感染症、毎年重なる異常気象などで不安が渦巻く今の時代ですが、100年ほど前に書かれたこの詩が今も変わらず、僕たちの心に明かりを灯してくれます。
「明るいほうへ」テレビドラマ化
2001年、金子みすゞさんの人生を描いたテレビドラマがTBS系列で放送されました。
タイトルは『明るいほうへ明るいほうへ – 童謡詩人金子みすゞ』。
詩「明るいほうへ」にちなんでつけられました。
女性として、妻として、母として・・・強く生きようとした様子が、たくさんの人の共感を得ました。
2012年にも『金子みすゞ物語〜みんなちがってみんないい〜』が放送されています。
このように、一人の詩人が繰り返しドラマ化されるのは珍しいことなので、金子みすゞさんの影響力や、時代を越えて伝わる言葉の力を感じます。
「明るいほうへ」全文
この詩を読んでいると、葉っぱも、虫も、そして人間も・・・。自然界、生きとし生けるものすべての存在が「明るいほう」を目指してゆく・・・。という自然の理を感じます。
だからこそ、自分自身も「明るい」存在でいたい、と思います。いつも笑顔で、いつも夢や希望に向かって顔を上げて歩いていたいですね。
それでは「明るいほうへ」全文がこちらです。
ぜひ、目で追うだけでなく、ぜひ声に出して読んでみてください。言葉のちからを、いっそう感じることができると思います。
明るい方へ 明るい方へ
一つの葉でも 陽のもるとこへ
やぶかげの草は。明るい方へ 明るい方へ
はねはこげよと 灯のあるとこへ
夜とぶ虫は。明るい方へ 明るい方へ
一分もひろく 日のさすとこへ
都会(まち)に住む子らは。
詩:金子みすゞ
※金子みすゞさんの写真と詩はJULA出版社内「金子みすゞ著作保存会」の提供&了承を得て掲載しています。
「明るいほうへ」合唱曲
金子みすゞさんファンの作曲家として「明るいほうへ」に曲をつけてみました。
この詩が大好きで、子どもたちにこの詩の素晴らしさを伝えたいと思いました。
金子みすゞさんの詩に、これまでたくさんの先輩作曲家さんたちがメロディをつけられていますが、どれも芸術的に美しく、レベルの高いものばかりです。
小学生や中学生に、気軽に口ずさんでもらいたいので、シンプルで、子どもたちが帰り道に鼻歌で歌えるメロディをつけました。
弾むリズムと、スピード感のあるSWINGに、詩が伝えたいことを強調するように繰り返しを取り入れました。
先生方が教室でとりくみやすいように、練習用音源(ピアノ伴奏、パート練習音源)を制作しました。
音楽会や国語、道徳の授業との連携、幼保小連携事業などの場面で、歌っていただけたら幸いです。
練習用音源(ピアノ伴奏)
練習用音源(ソプラノ)
練習用音源(アルト)
まとめ
金子みすゞさんの詩「明るいほうへ」いかがだったでしょうか?この詩にパワーをもらった一人として、今回ご紹介させていただきました。
これからもみすゞさんの素敵な詩に、子どもたちが元気に歌えるメロディをつけていきたいと思っています。
またこのブログで、お会いできますように・・・。ありがとうございました!!