金子みすゞ記念館と矢崎節夫さん
10年前から温めていた、金子みすゞさんの詩にメロディをつけるチャレンジ。いろんなタイミングが「今」にむかって重なり合い、山口県仙崎にある「金子みすゞ記念館」を訪ずれました。(今年で3回目)そこで、奇跡の出会いがありました。
それは「金子みすゞ」を世の中に紹介した詩人であり、金子みすゞ記念館の館長でもある、矢崎節夫さんとの出会いです。
金子みすゞ蘇りの物語
通常の展示に加えて、今回開催されていた「企画展」のテーマが「金子みすゞ蘇り」。これまでは「みすゞさん」の作品に会いに来ていた感覚でしたが、この「蘇りの物語」のロマンチックさ、素晴らしさに、来館3回目でようやく気づけたと言いますか・・・。
「金子みすゞ蘇り」の物語と、矢崎さんとの出会いが、「みすゞコスモス」と呼ばれる金子みすゞの詩世界への、一つ深い場所への入り口に、立たせてくれたのです。
(矢崎さんの「みすゞさがしの旅」という文章は、国語の教科書(小学5年生)にも掲載されています)
矢崎節夫さんの詩集
「金子みすゞ」詩集、CD、記念ブックや数々の資料のコーナーの片隅に、それはありました。2冊の「矢崎節夫詩集」です。
以前に訪れたときは、なかったような・・・。
それもそのはず。この詩集、矢崎さんが最初の詩集を出してから32年を経て、2014年に出版されたものだったからです。パラパラと開いてみると、素晴らしい詩作品の数々。宝物を見つけたような感覚でした。
スタッフの方に「この矢崎節夫さんって・・・」と話しかけると「この記念館の館長ですよ。」とのこと。案内してくださったのは、記念館の草場さんという方でした。とても親切に、「みすゞ蘇り」について教えていただき、ますます感動!
そして、記念館入り口のところにある「子どもコーナー」みたいな机の、いろんな詩集を見ていると、ここにもお宝が。
なんと、今では入手しずらい、矢崎さんの貴重な第一作目の詩集「ぼくがいないとき」が、こんなところに!普通は記念館の奥の書庫とかに置いてありそうなものです。またもや素晴らしい詩の数々!
みすゞさんの詩にメロディをつけたくて記念館に来たのに、矢崎さんの詩にすっかり魅了されてしまい、宿泊先のキーボードで早速作曲をはじめました。
そして生まれた曲の楽譜とお手紙を、記念館の草場さんに送ると・・・それらを転送してくださり、矢崎さんにつないでくださったのです。
新しい童謡発信プロジェクト
作曲の許可をいただき、矢崎さんとのメッセージのやり取りがはじまりました。
「園児も歌えるうたを作ってくださるとしあわせです」とリクエストいただき、普段作っている小中学生の「合唱」よりもさらにシンプルなものに仕上げていきました。
幼稚園教諭の経験もある音楽仲間の「ことりゆき」さんも参加し、矢崎さんの詩による楽曲が、20曲以上生まれました。
(左から弓削田、矢崎節夫さん、ことりゆきさん)
みすゞさんの曲も完成!
そして遅れること1ヶ月。みすゞさんの曲は全部で10曲作曲。言葉遣いに大正時代の雰囲気が残ったりしたのもあって、小学生向けになりました。
(写真提供:金子みすゞ著作保存会)
音楽物語「詩人になるために大切な3つの心」
最近、小学校の先生からリクエストをいただくことが多いのが「音楽物語」です。
いくつかの歌を、物語(子どもたちの簡単なセリフ)でつなぐ、20~30分くらいの物語。1年生から6年生まで、一曲ずつ交代で歌いながら、進んでいったり、1学年のクラスごとにつないだりします。
その「音楽物語」を作ろうと思っています。
今回生まれた歌を聴いていただき、先生方に相談すると、
・「金子みすゞ」は国語の授業でも取り扱うので、国語と音楽の教科連携の観点から「詩」について学べるものがいい。
・矢崎さんの詩とみすゞさんの詩を一緒に歌える、幼保小連携(幼稚園・保育園・小学校)事業で使えるものがあるといい。
という意見をいただきました。
「金子みすゞさん」と「矢崎節夫さん」の2人の詩人さんの歌でつなぐ「音楽物語」。これまでの金子みすゞ関連の様々な出会いと学んだことをもとに、「詩」について考えることができるものにしたいと思います。
生まれた歌たちと、音楽物語は、このページにて、準備ができたものから、順次公開していきたいと思います。ときどき、のぞきにきていただけたら嬉しいです。
ゆげたけんすけ
p.s.
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