こんにちは。作曲家の弓削田健介(ゆげたけんすけ)です。
今日は、「In Terra Pax」をご紹介したいと思います。
In Terra Pax 地に平和を(歌詞)
IN TERRA PAX
地球に愛を
ぼくらに夢を
さあ 野辺に出よう
ならんで腹ばいになり
もえでたばかりの草にむせて
大地に胸をあてるのだ
とくとくと
見えない地の底からひびく
不思議なリズム
地球の鼓動だ
この大地のリズムにあわせ
人は生きる
鳥も木も草も
IN TERRA PAX
地球に愛を
ぼくらに夢を
さあ 空を見よう
陽の光をほほにうけとめて
新しい風に向かい
目を開くのだ
さわさわと
はてしない青い世界をただよう
やさしいメロディ
地球の息吹だ
この宇宙のメロディにつつまれ
人は生きる
鳥も木も草も
作詞:鶴見正夫 作曲:荻久保和明
(許諾番号9020135001Y38029)
In Terra Pax 地に平和を(ピアノ伴奏)
In Terra Pax 地に平和を(歌詞の意味)
『In Terra Pax- 地に平和を』(イン テラ パックス – ちにへいわを)は、作曲家の荻久保和明さんが制作した混声合唱組曲の中の表題曲で、作詞は鶴見正夫さんが手掛け、1990年に発表されています。
「In Terra Pax」はラテン語で、「Terra」は「地球」、「Pax」は「平和」を意味しています。このタイトルは、キリスト教のミサ通常文「Gloria」の一文に記されている「Et in terra pax hominibus bonae voluntatis.(そして、地の善き人々に平和を)」から引用されたものです。
作詞した鶴見さんは当初、「この地上」という原題をつけましたが、作曲の際にふとラテン語が思い浮かんだことがきっかけで、「In Terra Pax」に改めたそうです。鶴見さんは「この地球に生きるもの、すべての命のための「In Terra Pax」-“地に平和を”である」とおっしゃっています。
鶴見さんは、「こうした歌はシュプレヒコールのようになりがち。私はそれを避けることに努め、少年少女から大人まで、誰もが歌えるようにと、できるだけ平易な言葉で書いた」とも述べておられます。(ウィキペディアより引用)
In Terra Pax 地に平和を 成り立ちとエピソード
ベトナム戦争中に鶴見さんが書いた詩「太郎は知った」を読んだ荻久保さんは、詩を元にして、若い人たちに向けて「戦争を平和」をテーマにした組曲を制作することを着想。鶴見さんに新たな詩の書き下ろしを依頼し、タイトル曲「In Terra Pax」を含む5曲からなる組曲が完成しました。
組曲の作曲にあたり、荻久保さんは、詩の一部を省略、改変されたそうです。鶴見さんも快く了承したとのこと。その代わりに、鶴見さんが伝えたかったことは、ピアノの間奏で表現したそうです。荻久保さんは「詩から音楽が生まれる時に、詩は生まれ変わって別の生命を得るのだと思う。ちょうど、戯曲を原作に舞台作品が生まれる時、脚本になる時点で、第二の生命を得るのと同じように」と語られています。(「教育音楽 中学・高校版 2018/10」より引用)
In Terra Pax 地に平和を 作曲者の思い
生徒自身が指揮者、ピアニストを担当して、校内合唱コンクールなどで演奏されることが多いこの曲。荻久保さんは、「難易度が高いピアノパートでは、『伴奏者』というよりも、合唱パートと並んで『コンチェルト』を演じる『ソリスト(独奏者)』だと思って」とおっしゃっています。
そのうえで、指揮については、「自分自身のやり方で自由に音楽を作り上げてもらいたい。ぜひ、荻久保和明という指揮者を超える演奏にチャレンジしてほしい」と述べられています。(「教育音楽 中学・高校版 2018/10」より引用)